「お菓子を送ったら、割れて届いたって言われた」
「冷蔵で送るのと冷凍で送るの、どっちがいいんだろう」
「クール便って、そもそも何を選べばいいの」

割れたら作り直して、送り直すことになる。
そう思うと、送るたびに落ち着かないですよね。

こんにちは。兵庫県明石市で、夫婦で棒付きマカロン専門店を営んでいるいろはです。
開業から4年、ほぼ毎週クール便でお菓子を全国に送っています。

先に結論から言います。
開業した2022年8月からの3か月ほど、冷蔵便で送っていて、「割れて届きました」というご連絡が月に2〜3件ありました。
その秋に冷凍便へ切り替え、同時に梱包も見直したところ、そこから4年近く、その報告はほぼありません。

割れた原因は、運送会社ではなくうちの荷造りでした。
荷造りは送る側の責任だと、宅配便の約款にも書かれています。
この記事は「運び方が悪い」ではなく、「送る側で何ができるか」の話です。

そしてもうひとつ。
「とりあえず冷凍にしておけば安心」ではありません。
冷凍すると味や食感が落ちるお菓子があります。
まず自分の商品がどちらなのかを確かめるところから書きます。

「割れて届きました」って連絡、ほんとに落ち込むよね…

当時は「ちゃんと詰めたのに」と思ってたんです。
でも今ふり返ると、詰め方が甘かったですね。

🗒️この記事でわかること
  • 自分の商品を冷凍で送っていいかどうかを判断できる
  • 「割れて届いた」を減らすのに、何にいくらかけたかがわかる
  • 箱を二重にする守り方が、そのまま真似できる
  • 配送会社に「ワレモノ」を伝える正しい手順がわかる
  • 冷凍に切り替えるとき、ラベルで何が変わるかがわかる

🙆向いている人

  • これからお菓子や食品をネットで売ろうとしている人
  • すでに売っていて「割れて届いた」の連絡に困っている人
  • 常温で送っている人(温度の章は飛ばして、梱包の章と申告の章だけ読んでください。梱包は温度に関係なく効きます)

🙅向いていない人

  • 大量出荷の物流設計を知りたい人(うちは小さな店の話です)
  • お菓子の作り方や急速冷凍の理論を知りたい人(うちは作る側ではなく、EC・事務の担当です)

目次

▼結論|お菓子を冷凍で発送する方法(5ステップ)

最初に、うちの答えを書きます。

🗒️お菓子を冷凍で発送する手順

①商品が冷凍に向くか確かめる(ゼリー・プリン・生クリームは向きません)
②1本ずつ個包装して、化粧箱を紙パッキンで埋める
③配送用ダンボールに薄紙を敷いて化粧箱を入れ、エアクッション袋で埋める(=箱を二重に)
④送り状の「ワレモノ」に○をつけて、集荷の方に口で伝える
⑤-15℃以下で12時間以上の予冷が済んだ状態で、冷凍便で出す

うちが扱っている棒付きマカロンは、冷蔵より冷凍のほうが割れにくいと感じています。

ただし、これをそのまま「お菓子全般」に広げることはできません。
冷凍すると別物になってしまうお菓子が、はっきり存在するからです。

▼冷凍で発送していいお菓子と、ダメなお菓子

①冷凍が向かないお菓子もあります

農林水産省は、家庭での冷凍が難しい代表例として、生卵・ゆで卵、牛乳・生クリーム、豆腐・こんにゃく、プリンやゼリー、水分の多い生野菜を挙げています。

お菓子に置き換えると、こうなります。

冷凍で品質が落ちやすい何が起きるか
ゼリー・プリン組織が壊れて、解凍しても元に戻らない
生クリームを使った生菓子分離してざらつく
生の果物をのせたケーキ・タルト水分が多いものは細胞が壊れる
チョコレートが主役の商品温度差の結露で白くなることがある

逆に、冷凍が向くとされているものもあります。
全国和菓子協会は「和菓子は基本的に冷蔵が苦手
しかし冷凍は大丈夫」「餅、大福、最中、カステラ、どら焼きなど、和菓子のほとんどは冷凍でも一定期間ならおいしさを保つ」と書いています。
マカロンや焼き菓子も、一般には冷凍が向くとされている側です。

②うちの結論

冷凍で品質が落ちない商品なら、迷わず冷凍でいいと思います。
うちはそうしています。

冷凍すると別物になる商品なら、冷凍は選べません。
その場合は温度で守るのをあきらめて、梱包と申告で守ることになります。
この記事の梱包の章と申告の章は、冷蔵で送る人にも常温で送る人にも、そのまま使えます。

なお、なぜ冷凍のほうが割れにくいのか、その理屈まではうちにはわかりません。
「固いから強い」とは限らず、凍らせたものはかえって欠けやすくなることもあるそうです。

えっ、冷蔵のほうが優しそうな気がしてた

私も最初はそう思っていました。
でも、うちの商品では逆でした。

▼冷蔵発送で月2〜3件、割れて届いていた

うちは2022年8月に開業しました。
最初は冷蔵便で送っていて、そのころは月に2〜3件、お客さまから「割れて届きました」というご連絡をいただいていました。

①壊れ方は「4本のうち1本が欠ける」

具体的には、4本入りのうち1本が欠けていた、という形です。

箱ごと粉々になる、という壊れ方ではありません。
縁がぱきっと欠ける。
マカロンはそういう壊れ方をします。

でも、1本だけでも台無しになります。
お菓子は贈り物として選ばれることが多いので、開けた瞬間に欠けているものが目に入ったら、それで印象が決まってしまいます。

⚠️数字について正直に

「月に2〜3件」も「4本のうち1本」も、当時の記憶によるものです。件数や内訳をきちんと記録していたわけではないので、ご了承ください。

②連絡には14日の期限があります

うちは、割れの連絡をいただいたときは作り直して送り直していました。
ただ、これはうちがそう決めているだけで、どの店もそうすべきという話ではありません。

ひとつ知っておくとよいのは、運送会社への破損の連絡には期限があるということです。
宅配便の約款では、荷物を受け取った日から14日以内に連絡しないと運送会社の責任は消える、と決まっています。補償の上限は1個につき30万円です。

自分の店の対応をどうするかは、この期限を知ったうえで決めるのがいいと思います。

1本だけでも、開けた人はショックだよね

はい。
お金のことより、いいものをお届けできていないのがつらくて。
なんとかしないと、と思いました。

▼冷蔵と冷凍、どっちで発送する?|うちが冷凍にした理由

先に、うちが調べた範囲での違いをまとめておきます。
温度帯と予冷の目安はヤマト運輸の案内、クール料金は公式の付加料金(税込)です。

冷蔵で送る冷凍で送る
温度帯0〜10℃-15℃以下
予冷の目安10℃以下で6時間以上-15℃以下で12時間以上
向くお菓子生クリーム系・ゼリー焼き菓子・マカロン・和菓子
クール料金(100サイズ)440円(冷蔵・冷凍とも同額)
ラベル表示冷蔵の温度と期限書き直しが必要
うちの選択✕ 月2〜3件割れた◯ 4年近くほぼゼロ

2022年の秋、開業して3か月ほどたったころに、冷蔵便から冷凍便に切り替えました。

そして、同じタイミングで梱包も見直しました。
箱を二重にして、内側と外側で守り方を変える、といういまのやり方に切り替えたのがこのときです。

切り替えてから、「割れて届きました」の連絡はほぼなくなりました。

①「冷凍で直った」とは書けません

ここは、はっきりさせておきたいところです。

温度と梱包を同時に変えてしまったので、どちらが効いたのかはわかりません。
冷凍が効いたのかもしれないし、梱包が効いたのかもしれないし、両方かもしれません。

もし今から同じことを検証するなら、片方ずつ変えるべきでした。
でも当時は「とにかく早く止めたい」という気持ちしかなくて、そんな余裕はありませんでした。

言えるのは、「この2つを変えたら、報告がほぼ止まった」ということだけです。

どっちが効いたかわからないんじゃ、意味ない?

困っている人には、両方やってもらえばいいので。
ただ、まずはお金のかからない梱包からで大丈夫です。
温度は必要になってからでいいと思います。

②温度を変えると、ラベルも変わる

ここは見落としやすいので、先に書いておきます。

冷蔵から冷凍に変えると、商品ラベルの「保存方法」と「期限」を書き直す必要があります。

保存方法は「冷凍保存」とだけ書くのは認められておらず、具体的な温度で書く決まりになっています。また、保存温度が変われば傷むスピードも変わるので、冷蔵のときの賞味期限をそのまま使うことはできません。

表示の決まりは商品によって違うので、切り替える前に保健所か、お住まいの自治体の食品表示の窓口に確認してください。ラベルの書き方はお菓子の食品表示・アレルギー表示の書き方にまとめています。

▼梱包|お菓子が割れない箱の二重構造と資材費

ここがいちばん大事なところかもしれません。
この章は、冷凍でも冷蔵でも常温でも、そのまま使えます。

うちは箱を二重にしています。そして、内側と外側で使う資材を変えています。

何を守るか使うもの
内側=化粧箱商品どうしがぶつからないように個包装+紙パッキン
外側=配送用ダンボール箱ごと揺れないように薄紙+エアクッション袋
💡化粧箱とは

お客さまにお渡しする、商品そのものを入れるきれいな箱のこと。ギフト箱とも呼ばれます。配送用のダンボールとは別ものです。

①内側|個包装して、紙パッキンで埋める

クラフト紙の化粧箱に紙パッキンを敷き詰め、個包装した棒付きマカロンを並べた状態。複数の箱を同時に詰めているところ。

マカロンは1本ずつ透明の袋に入れます(個包装)。
そのうえで、紙パッキンを箱に敷き詰めて、そこに並べます。
箱に一緒に入れているカード類はサンキューカードをCanvaで作る方法で紹介しています。

💡紙パッキンとは

紙を細く裁断した緩衝材。すき間に入り込んで、商品の形に沿ってくれます。紙をぺらっと1枚挟むのとは、動かなさが違います。うちが使っているのは1kg入りの業務用です。

②外側|薄紙を敷いて、エアクッション袋で埋める

配送用のダンボール箱の内側に白い薄紙を敷き、個包装した商品をエアクッション袋で包んで詰めた状態。

配送用のダンボールの内側に、まず白い薄紙を敷きます
その上に化粧箱を入れて、すき間をエアクッション袋で埋めます。

💡薄紙とは

商品や箱の内側にあてる、やわらかい薄手の紙。汚れ防止と、こすれ防止のために入れています。

「箱の中で動かない」状態にするのが目的です。
動かなければ、そもそもぶつかりません。

冷凍便で送るお菓子の梱包を示した図解。箱を二重にする考え方を断面で表している。内側は化粧箱で、個包装したマカロンを紙パッキンの上に並べる。外側は配送用ダンボールで、内側に薄紙を敷き、すき間をエアクッション袋で埋める。タイトルは「割れを止めた考え方 箱を二重にする」、帯には「内は紙パッキン、外は袋」。

二重にしてるんだ?もったいなくない?

資材代は確かにかかります。
でも資材代より、作り直して送り直す手間のほうが高くつきます。
お客さまの信頼を失うなら、なおさらです。

うちはこれらをシモジマで買っています。
街の資材屋さんでも買えますし、オンラインでも買えます。
ネット販売にかかるお金の全体像はお菓子のネット販売は儲かる?に書いています。

近くにシモジマがない方へ。
うちが使っている紙パッキンとエアクッション袋は、ネットでも同じものが買えます。

紙パッキンは、2026年8月の時点ではAmazonに1kg単品の取り扱いがありませんでした。
あるのは3袋セットかケース売りだけです。

③資材はいくらかかっているか

よく聞かれるので、うちが実際に払っている金額を出します。
すべてシモジマで買っているものです。

資材1個あたり
化粧箱(窓付きBOX)1枚 約96円
個包装の袋(OPP袋)1枚 約7円
紙パッキン(業務用1kg)
薄紙
配送用ダンボール(B4スリム)1枚 約130円
エアクッション袋(角3用)1枚 約16円

買った単位と値段は、化粧箱が20枚で1,914円、個包装の袋が100枚で660〜693円、紙パッキンが1kgで1,980円、配送用ダンボールが20枚で2,508〜2,772円、エアクッション袋が100枚で1,595円です。

配送用のダンボールは、シモジマのHEIKO「B4用-120 スリム」です。
内寸は375×265×120mmで、3辺の合計は約76cm。
ヤマトの送料は3辺の合計と重さで決まるので、この寸法から自分の運賃を計算できます。

値段に幅があるのは、買った時期が違うからです。
資材の値段は動きます。

この表から、4本入り1箱ぶんの資材費を計算するとこうなります。

化粧箱 約96円 + 個包装 約7円×4本 + ダンボール 約130円 + エアクッション袋 約16円 = 約270円

⚠️ ただし紙パッキンと薄紙だけは、1箱にどれだけ使うか量っていません。1kgで1,980円なので、そこに少し足して考えてください。

▼申告|ワレモノは、シールより送り状で伝える

ワレモノを配送会社に伝える正しい順番を示した図解。①送り状のワレモノを丸で囲む、②集荷のときに口で伝える、③配送会社がシールを貼ってくれる、の3段階。タイトルは「ワレモノを伝える正しい順番 シールより、送り状」。帯に「箱に書くだけでは、伝わりません」、補足に「自作シールは気持ち。仕組みではありません」。

これが、いま実際に出している箱です。

冷凍便で発送するお菓子の箱。ガラス・ビン・セトモノのシール、この面を上にのシール、配達の方へのオリジナルシール、冷凍タイプのシールが貼られている。

シールは4種類貼っています。それぞれ役割が違います。

シール役割入手先
ガラス・ビン・セトモノ割れ物として扱ってもらうヤマト運輸(無料)
この面を上に上下を逆にされないためヤマト運輸(無料)
冷凍タイプ温度帯を明示するヤマト運輸(無料)
配達の方へお礼を伝える自作(300枚5,710円)

①大事なのは、送り状のほうです

お菓子は「割れ物」に見えません。
伝票の品名は「マカロン」ですし、それだけ見て割れ物だと思う人はいないと思います。

だからシールを貼るのですが、ここで大事なことがひとつあります。

ヤマト運輸の正式な手順は、「箱にシールを貼る」ではなく「送り状のワレモノに○をつけて、集荷の方に伝える」です。
公式のQ&Aにも「お荷物の梱包箱などに記載いただいても、対応ができません」と書かれています。
伝えれば、ヤマト側でワレモノのシールを貼ってくれます。

しかもこれは、万一のときの補償にも関わります。
宅配便の約款には、壊れやすいものを送るときに送り状にその旨を書いていないと、丁寧に扱われなかったことによる破損は補償されないことがある、という決まりがあります。

シールは「お願い」、送り状は「約束」。
うちはシールを先に覚えてしまったので、この順番を知ったのは後からでした。

シール自体は、営業所でも集荷のときでも無料でもらえます。お金をかけずにできる対策ですが、まず送り状です。

お菓子にワレモノのシール貼っていいの?

実際に割れるものなので、大丈夫ですよ!
むしろ黙って出すほうが、運ぶ人にとっても不親切だなと。

②自作シールは、気持ちの話です

配達の方へのオリジナルラベル

こう書いてあります。

配達の方へ

いつもありがとうございます
商品がマカロンのため大変デリケートです。
今一度お取り扱いご注意のほどお願いします。

実費は、300枚で5,710円。1枚あたり約19円です(2025年8月にラクスルで発注)。
じつは最初、2023年に100枚を6,102円で刷っています。
枚数を3倍にしたのに、総額は392円安くなりました。
使う量が読めるなら、まとめて刷ったほうが安いです。
いまは価格が変わっているかもしれません。
ラクスルでの発注の流れと実費はラクスル印刷でチラシを作る手順にも書いています。

⚠️先に知っておいてほしいこと。

先ほど書いたとおり、ヤマトは「箱への記載では対応できない」と案内しています。自作のシールは、配送会社に特別な扱いを約束させるものではありません。

それでもうちが作ったのは、手渡してくれる人に「ありがとうございます」を伝えたいからです。

③のりの種類を必ず指定する

シールを作るなら、ここだけは間違えないでください。うちも危うく間違えるところでした。

のりの種類適した環境
冷食のり冷蔵環境(約5℃〜常温)
冷凍のり冷凍環境(約-20℃〜常温)

名前は似ていますが、「冷食のり」は冷凍用ではありません。
公式には「冷食のりを冷凍庫で使用すると、粘着力が低下し剥がれてしまう場合があります。冷凍庫で保管する場合は、必ず冷凍のりをご選択ください」と書かれています。

うちは2回とも「冷食のり」を選び、いまのところ剥がれたことはありません。
うちの使い方が「常温の乾いた箱に貼ってから冷凍庫に入れる/輸送は数日」だからだと思います。
冷凍庫で長く保管する箱に貼るなら、冷凍のりを選んでください。

もうひとつ、貼り方にも決まりがあります。
「凍結や結露で霜が付いた面には貼り付きません」。
常温の、乾いた箱に貼ってから冷やしてください。

▼予冷|クール便は「冷やす」サービスではありません

最初に、いちばん大事なことを書きます。

クール宅急便は「温度を保つ」サービスであって、「冷やす」サービスではありません。

ヤマト運輸は予冷の目安を、冷凍タイプなら-15℃以下で12時間以上、冷蔵タイプなら10℃以下で6時間以上としています。
そして「予冷をしていない場合、保冷温度が上昇し他のお客さまのお荷物に影響を与えるおそれがあるため、お荷物をお預かりできません」と案内しています。

つまり予冷は、やってもやらなくてもいい工程ではなく「必須」です。

①うちに「予冷の工程」はありません

そのうえで、うちの話をします。

商品を作った時点から冷凍で保管していて、そのまま箱に詰めて出しています。
予冷が要らないのではなく、予冷が終わっている状態から始めている、というだけです。

化粧箱に詰めたあとも、集荷が来るまでお店の冷凍庫に入れたままにしています。
配送用のダンボールに入れるのは、集荷の方に渡す直前です。
うちのお店はオーダーケーキも作っていますが、ケーキだけは、半日ほどかけて凍らせます。

②始める前に決めること

「発送前に何時間冷やすか」を工程に入れるか、うちのように最初から冷凍で保管する流れにするか。
どちらかを決めてください。
決めないまま出すのが、いちばん危ないです。
迷ったら、最初から冷凍保管する流れでいいと思います。

なお、うちの商品ではこのやり方で足りていますが、アイスクリームのように、もっと低い温度が要るものは別です。
ヤマトは発泡スチロールと十分なドライアイスが必要だと案内しています。
イベントに持ち出すときの保冷はマルシェ出店に必要なもので別に書いています。

もうひとつ、箱を選ぶ前に知っておきたいことがあります。
クール宅急便で扱えるのは、120サイズ・15kgまでです。
ふつうの宅急便(200サイズ・30kgまで)より小さいので、大きい箱はそもそもクール便で出せません。

予冷っていらないの?

いえ、必須です。うちは予冷の時間を別に取らなくていい流れにしただけです。
冷えていないものは、そもそも受け取ってもらえません。

▼夏も冬も冷凍|季節で切り替えない理由

多くの解説では「夏はクール便に切り替えましょう」と書かれています。

うちは、季節で切り替えません。
夏も冬も、ずっと冷凍で送っています。

理由は品質の話ではなく、手間の話です。

  • 季節ごとに発送方法を切り替える管理が発生する
  • 商品ごとにどっちで送るかを判断しないといけない
  • 気温の変わり目にいつ切り替えるかを毎年決めないといけない

2人でやっている店に、この判断を毎年くり返す余裕はありませんでした。
それなら最初から通年で冷凍にして、迷う場面をなくしたほうが確実です。

送料は間違いなく上がります。
でも、間違えて常温で送ってしまう事故のほうが、はるかに高くつきます。
冷凍で送る先はネットショップだけではなく、うちはふるさと納税の返礼品としても出しています。

たしかに、迷わなくていいのはラクだね

小さい店の正解は「いちばんいい方法」じゃなくて「間違えない方法」なんだと思います。

▼冷凍発送の送料|全国一律1,800円にした理由

冷凍便は送料が高いです。ここは避けられません。
うちは全国一律1,800円にしています。

この1,800円には、梱包の資材費も含まれています。
関東へクール便で送ったときの、うちの送料の実費は約1,737円です。

⚠️ この1,737円は、うちがヤマト運輸と結んでいる契約での金額です。
契約がない場合の定価はこれより高くなります。ご自身の運賃で必ず計算し直してください。

①基準は関西から関東への実額

うちは兵庫県明石市にあります。
関西から関東へクール便で送るときのコストを基準にして、一律の金額を決めました。

送料だけで見れば、近いところは少し得をして、遠いところは持ち出しです。
ただし資材費まで入れると、どの地域でもほぼトントンか、少し持ち出しになります。
ならすと、だいたい合う。
そういう決め方です。

この金額はうちの商圏での話なので、ご自身の場所から一番遠いところまでの実額で計算してみてください。

②一律にしたのは管理の手間のため

送料をサイズごと・地域ごとに変えると、金額が1円単位でバラバラになります。

そうなると、直販のときにお釣りの準備が要りますし、「この商品をこの地域に送るといくら」という組み合わせを、ずっと管理し続けることになります。

送料を細かく最適化して浮くお金より、その管理にかかる手間のほうが高くつくと判断しました。
小さな店なので、判断する場面を減らすほうが大事です。

送料と手残りの計算は、お菓子のネット販売は儲かる?に詳しく書いています。
ネット販売の全体像はお菓子のネット販売を始めた全体マップをどうぞ。

▼よくある質問(FAQ)

Q1. 冷蔵と冷凍、結局どっちがいいですか?

冷凍で品質が落ちない商品なら、冷凍をおすすめします。うちは冷蔵で送っていたころ月2〜3件の割れの報告があり、冷凍と梱包見直しの後はほぼなくなりました(件数は当時の記憶による体感です)。ただし2つを同時に変えているので、冷凍だけの効果とは言い切れません。ゼリーやプリン、生クリームを使ったお菓子は、そもそも冷凍が向きません。

Q2. 冷凍に耐えるか、どう試せばいいですか?

うちはこうしています。

  • 完成品を1個、実際に送るのと同じ状態(個包装+箱)で冷凍する
  • 化粧箱のまま冷蔵で2〜3時間ほど解凍する
  • 食感・見た目・水が出ていないかを見る

うちの商品では問題を感じたことがありませんが、これは商品によります。
作り方や材料で変わるところなので、必ずご自身の商品で試してください。

Q3. 割れ物シールは、頼めばもらえますか?

ヤマト運輸で無料でもらえます。営業所で言えばもらえますし、集荷に来てくれる方にお願いすることもできます。ただし前述のとおり、シールを貼るだけでなく、送り状に書いて口で伝えるのが正式な手順です。

Q4. オリジナルのシールは作るべきですか?

急がなくていいと思います。ヤマトは「箱への記載では対応できない」と案内しているので、扱いが変わることを期待して買うものではありません。まずは無料の割れ物シールと、梱包の見直しからで十分です。

Q5. 送料は店が負担すべきですか?

うちは、送料は必ず発生するものだと考えています。冷凍便である以上、コストはどうやっても消えません。

なので、うちが考えているのは「送料をどう見せるか」ではなく、「送料が気にならないくらい、頼んでよかったと思ってもらえるお菓子を届けること」です。送料を無理に安く見せても、中身が期待どおりでなければ二度目はありません。

Q6. 冷凍便に対応していないネットショップはありますか?

主要なサービスなら、どれでも冷凍便の設定はできます。ただし温度帯ごとの送料設定のしやすさには差があります。BASEとSTORESの比較Airレジの正直レビューもあわせてどうぞ。

▼まとめ|特別なことは、していません

お菓子を冷凍で送るときのチェックリスト図解。自分の商品が冷凍に向くか確かめる、箱を二重にする、すき間を紙パッキンと袋で埋める、送り状のワレモノに丸をつけて伝える、シールののりの種類を指定する、の5項目。タイトルは「お菓子を冷凍で送るとき やることは、これだけ」、帯に「特別な技術は要りません」。
📝この記事のまとめ
  • 冷凍でいいのは「冷凍で品質が落ちない商品」だけ。ゼリー・プリン・生クリームは向きません
  • 冷蔵で送っていた3か月ほど、「割れて届きました」が月2〜3件(当時の記憶による体感です)
  • 2022年秋に冷凍へ切り替え、同時に梱包も見直したら、そこから4年近くほぼなくなった
  • どちらが効いたかは特定できていない(同時に変えたため)
  • 箱の中=箱を二重に。内側は個包装+紙パッキン、外側は薄紙+エアクッション袋
  • 大事なのはシールより送り状。「ワレモノ」に○をつけて、口で伝える
  • シールののりは種類を指定する霜のついた箱には貼れません
  • 予冷は必須(冷凍タイプは-15℃以下で12時間以上)
  • 温度を変えると、ラベルの保存方法と期限も変わります

振り返ると、やったことはどれも特別ではありません。
すき間を埋めて、無料のシールをもらって、ひとこと伝えただけです。

それでも月2〜3件が止まりました。もし今、同じことで悩んでいるなら、まずは無料の割れ物シールと、すき間を埋めることから試してみてください。
これから食品を売り始める方は、菓子製造業許可の取り方手作りクッキー販売に許可は必要?もあわせてどうぞ。

全部やらなくても、できることからでいいんだね

はい。うちも4年かけて少しずつ足していっただけです。
参考になれば嬉しいです!

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いろはさん
兵庫県でマカロン専門店「いろはのおと」(https://iroha-no-oto.com/)を妻と2人で営む、個人事業主4年目の店主です。元メーカー勤務の非エンジニア。菓子の製造は妻(パティシエ)、私はEC・SNS・会計・事務まで裏方をひととおり担当しながら、AI(Claude Code)・個人事業主のお金・店舗運営のリアルを“エアプなし”で正直に発信しています。(FP2級・簿記2級/中小企業診断士は勉強中) 📣 記事の更新はXでお知らせしています → @irohanote168 をフォロー