手作りクッキー販売に許可は必要?自宅・マルシェ・OEMを許可取得した菓子店主が解説
「手作りクッキーって、許可なしで売れるんじゃないの?」
「常温で日持ちするお菓子なら大丈夫って聞いたけど…」
「フリマアプリで売っている人、たくさんいるのに」
調べていると、なんだかはっきりしない情報ばかり出てきますよね。
「許可のいらない食品」という言葉も見かけるし、実際に売っている人もいる。
じゃあ結局自分の場合はどっちなの?
こんにちは。兵庫県明石市で、夫婦で棒付きマカロン専門店を営んでいるいろはです。
2022年に菓子製造業許可を実際に取って、そこから4年、クッキーやマカロンを作って売っています。
だから、はっきり答えられます。
自分でクッキーを焼いて売るなら、原則として「菓子製造業許可」が必要です。
常温だから・少量だから・ネットだけだから・知り合いにだけだから
——どれも、いらない理由にはなりません。
えっ、そうなんだ…
「許可のいらない食品」って書いてある記事も見たんだけど…
その言葉、まぎらわしいんですよね。
いらないのは、許可のある工房が作って包装まで済ませたものを、そのまま売る場合なんです。ここを、この記事で整理します。
ただ、この記事は「ダメですよ」と言って終わる話ではありません。
許可がなくても、クッキーを自分の商品として売る道はあります。
うちは実際に、その「作る側」を引き受けたことがあります(4章に書きます)。
- ✅「クッキーは許可がいらない」がどこまで本当かがわかる
- ✅自分の売り方だと許可が必要そうか、保健所に相談する前に整理できる
- ✅ネット・マルシェ・委託など売る場所ごとの考え方がわかる
- ✅許可がなくても商品化できた実例(うちが作った側の話)が読める
- ✅自宅でも許可が取れる場合があることがわかる
- ✅取ると決めたあと何から始めればいいかが決まる
なお、この記事は「私は許可が必要なのか」を判断するための記事です。
取り方そのもの(申請書・図面・施設基準・費用の内訳)は、菓子製造業許可の取り方にすべて書いています。
Q1. クッキーを焼くのは、自分ですか?
→ いいえ(お店から仕入れる・工房に頼む)=あなたに製造の許可は通常いりません(2章へ)
→ はい ↓
Q2. それを、お金をもらって売りますか?
→ いいえ(友人にあげるだけ)=許可の話にはなりません
→ はい ↓
🍪焼くのが自分で、売るならお金をもらう。
この2つが「はい」なら、原則として許可が必要です。
あとはどこで焼くかを決めるだけ。この記事は、そのための記事です。
▼先に結論|自分で焼いて売るなら、原則として許可が必要です
ここでははっきりと。
事業としてクッキーを自分で製造して売るなら、その製造場所に「菓子製造業許可」が必要です。
ここでいう「事業として」は、繰り返し売るかどうかだけでなく、規模や売り方も含めて自治体が判断します。
ざっくり言えば——趣味であげるのではなく、お金をもらって続けて売るつもりなら、まず「事業」だと思って相談する。これでほぼ間違いありません。
よく見かける「これなら許可はいらないのでは?」という理由を、先に全部つぶしておきます。
| よく聞く理由 | 実際は |
|---|---|
| 常温で日持ちするから | 関係ありません。日持ちの長さでは決まりません |
| 少しだけしか作らないから | 自動的に免除される理由にはなりません。量の大小だけでは決まりません |
| ネットでしか売らないから | 関係ありません。売る場所ではなく、作る場所の話です |
| 知り合いにしか売らないから | 自動的に免除される理由にはなりません。売る相手では決まりません |
| 1日だけのイベントだから | 自動的に免除される理由にはなりません。 事業として売るなら、単発でも作る場所の許可の話は残ります (学校のバザーなど営業にあたらない催しは扱いが違います。会場と保健所へ確認を) |
※逆に、お金をもらわずに友人や家族に配る・試食してもらうだけなら、そもそも「販売」ではないので許可の話にはなりません。
ただし「材料費だけもらう」「無料で配って、後日その場で注文を受ける」といった形は、商売とみなされることがあります。
お金や注文が絡んだ時点で、線は動きます。迷ったら保健所へ。
つまり見るのは、
①事業として売るのか
②作るのは誰か
③その場所は許可を取っているか
——この3つです。
ここがはっきりすれば、保健所に相談するときの話が早くなります。
※アイスクリーム類など、商品や作り方によっては別の許可になることもあります。
自分の商品にどの許可が要るかは、保健所で確認してください。
▼「許可はいらない」と言われるのはなぜ?
では、なぜ「クッキーは許可がいらない」という話が出てくるのか。
答えは単純で、「自分で作らない売り方」なら要らないからです。

| クッキーを、誰が作る? | 菓子製造業許可は |
|---|---|
| 自分で焼く(自宅・厨房どこでも) | 必要。作る場所が許可を取っている必要があります |
| 許可を持つ工房に作ってもらう | 工房が包装まで済ませた完成品を そのまま売るなら、売る人に製造の許可は通常不要 (→4章に実例) ※自分で小分けや詰め替えをするなら、別の許可が要ることがあります |
| 許可付きのシェアキッチンで焼く | 「その施設の許可で、自分の営業ができるか」は 施設と保健所に確認。 自分名義の許可が別に要る場合もあります |
| できあがった市販品を、そのまま仕入れて売る | 製造の許可は通常不要 ※袋を開けて小分けするなら話が変わります ※常温以外のものを扱うなら 「営業届出」が要ることがあります |
ネットで見かける「許可のいらない食品」という言い方は、たいてい「できあがったものを、そのまま売る」場合の話です。
自分で焼いたものを売る話とはまったく別のことを言っています。
そして「作らないなら何でも不要」でもありません。
仕入れたものを開けて小分けするなら、そこでまた別の話になります。
あー…!
同じ「クッキーを売る」でも、中身が全然ちがうんだ
そうなんです。調べていて答えが出ないのは、この2つが混ざったまま説明されているからだと思います。
- 要否を決めるのは「事業として売るのか」「作る人」「作る場所」の3つ
- 売る場所・売る相手・量・日持ちは、どれも関係ありません
- 「許可がいらない」と言われるのは、できあがった完成品をそのまま売る場合の話
▼売る場所で変わる?|ネット・マルシェ・委託・イベント
もうひとつ多い質問がこれです。
結論はさきほどと同じで、事業として売るなら、売る場所が変わっても作る場所の許可の話は残ります。
| 売り方 | 考え方 |
|---|---|
| ネットショップ | 作る場所の許可は必要。 それとは別に、包装への食品表示が要ります (ページへの記載は購入前の情報提供として 親切、という位置づけ) |
| マルシェ・イベント | 事業として売るなら、作る場所の許可は必要。 それとは別に、会場での販売について 保健所への届け出や主催者への提出書類が 要ることがあります(自治体で扱いが違います) |
| お店に置いてもらう(委託) | 事業として売るなら、作る場所の許可は必要。 置く側のお店から、製造者や製造所の情報を確認されるのが通常です |
| フリマアプリ | 製造の許可は必要。 出品できてしまうことと、適法であることは別の話です |
お店に置いてもらうとき、何を聞かれるか
お菓子を扱う店の立場から言うと、他所で作られたものを置くときは、製造者や製造所、表示の内容を確認されるのが通常です。
包装に製造所や製造者を書く必要がありますし、何かあったときに責任の所在がはっきりしないものは、置く側としても扱えません。
許可のない場所で作ったものは、そもそも置いてもらう土俵に上がれないと考えておいたほうが確実です。
フリマアプリで手作りお菓子、けっこう見かけるけど…
見かけますよね。でも出品されているからといって、許可を取っているとは限りません。
必要な許可を受けずに製造・販売すると食品衛生法違反になります。ここはごまかせないところです。
▼実例|製造を任せて、自分の商品にできた話
ここからが、この記事でいちばん伝えたいことです。
許可がないなら、あきらめるしかないのか。
——そんなことはありません。
ここでいうのは、3章の「お店に置いてもらう(委託販売)」とは別の、製造そのものを人に頼む形(一般にOEMと呼ばれます)の話です。
地元の農家さんと作った、芋のクッキー
少し前に、地元の農家さんから相談を受けました。
「うちの芋から作ったパウダーで、お菓子にできないだろうか」
農家さんは菓子製造業許可を持っていません。
お芋を作るのが仕事ですから、当然のことです。
実際、「うちには許可がないから、お菓子にするのは無理だと思っていた」とおっしゃっていました。
でも、自分の芋から作ったパウダーを使ったお菓子を、自分の商品として売りたい。
そこで、こういう形にしました。
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 芋パウダー(原料)を用意する | 農家さん |
| クッキーを作る | うち(=菓子製造業許可あり) |
| 商品として売る | 農家さん |

できあがったのは、クマがお芋を抱えている形のクッキー。
地元のクリスマスマーケットで、農家さんの商品として販売されました。
そして袋の裏の表示は、こうなりました。
| 表示の欄 | 載った名前 |
|---|---|
| 販売者 | 農家さん (名前と住所) |
| 製造者 | うち (名前と工房の所在地) |
農家さんは販売者として、ちゃんと自分の名前で売れました。
うちは製造者として、どこで作ったかを明かしています。
ここが大事なところで——作った人と、売る人は、違っていていいんです。
ただし「誰が、どこで作ったか」は必ず表示に残ります。ここはあいまいにできません。
ちなみに原材料の欄にも、「兵庫県産」と産地を書きました。農家さんのお芋であることが、そこでも伝わります。
えっ、そんな方法があるんだ!
じゃあ許可がなくても商品は作れるってこと…?
そうなんです。「自分で作る」以外の道が、ちゃんとあります。
むしろ最初から設備投資するより、こっちのほうが現実的なこともありますよ。
- 許可を持つ工房に、製造を頼む(うちが受けたのがこれ。原料や希望を持ち込む形)。原材料とアレルゲン・賞味期限・回収時の対応は、作りはじめる前に両者で決めておく。なお袋に名前を書く人が、その表示の責任を持ちます
- 許可付きのシェアキッチンを借りて、自分で焼く(※この場合は自分名義の許可が要ることもあります。うちは使ったことがないので、条件は施設と保健所に確認を)
- まず市販品を、そのまま仕入れて売ってみる(製造の許可は通常不要。売る力を先に試せます)
⚠️ひとつ大事な補足です。
自分で作らない場合でも、「営業届出」という手続きが要ることがあります。
2021年の法改正でできた仕組みで、許可(菓子製造業など)とは別の枠です。
| 売るもの | 手続き |
|---|---|
| 常温の包装食品だけ (クッキー・焼き菓子など) | 届出もいりません |
| 要冷蔵・要冷凍のもの (生ケーキ・冷蔵の菓子など) | 届出が要ることがあります |
届出は、許可よりずっと軽い手続きです。手数料はかからず、更新もありません。出すだけ。
ただし届出をする場合も、食品衛生責任者は必要になります。
窓口は許可と同じ保健所なので、電話するときに「届出は要りますか?」も一緒に聞いておくと一度で済みます。
どの道を選んでも、食品である以上「誰が、どこで作ったか」からは逃げられません。
まずはそこをはっきりさせるのが出発点です。そのうえで、表示や衛生管理をどちらが担うかを、相手と決めていきます。
▼自宅では取れない?|「家庭用キッチンのままでは」取れません
いちばん多い勘違いが、ここだと思います。
普段の家庭用キッチンをそのまま使って、菓子製造業許可を取ることはできません。
家族のごはんを作る場所と共用、というのが認められないからです。
でも「自宅では絶対に無理」かというと、少し違います。
自宅の一部でも、許可が取れる場合はあります。
条件は、住居部分から区画された営業専用の製造室があり、施設基準を満たすこと。
※施設基準=シンクの数や部屋の区切り、手洗い場の場所など、営業用のキッチンとして満たすべきルールのことです。
ただし基準は自治体ごとに運用が異なるので、改装する前に必ず保健所へ相談してください。
ここの順番を間違えると本当にもったいないです。
工事してから相談に行くと、やり直しになることがあります。
先に電話をして確認、これだけは覚えて帰ってください。
うちが物件を借りた理由
参考までに、いろはの選択も書いておきます。
うちは自宅ではなく、店舗の物件で許可を取りました。
理由は単純で、自宅では広さも設備も基準に届かなかったからです。
「自宅でやりたい」と思って調べたけれど、区画できる部屋がなく、水回りも足りなかった。それで物件を探すほうに切り替えました。
ただ、そのおかげで「お店として人に来てもらう」形にもなりました。結果的にはよかったと思っています。
自宅と物件、どっちがいい?(判断材料)
どちらが正解かは、その人の条件で変わります。
決めるための材料を、うちの実感で並べておきます。
| 自宅を区画する | 物件を借りる | |
|---|---|---|
| 最初にかかるお金 | 改装費 (間仕切り・水回りなど) | 保証金・仲介手数料 +内装費 |
| 毎月のお金 | ほとんど増えない | 家賃が毎月かかる |
| 通勤 | なし | あり |
| 家族の生活 | 音・におい・来客の 影響が出やすい | 分けられる |
| 包装に載る住所 | 自宅の住所 | お店の住所 |
| やめるとき | 元に戻す工事が 要ることも | 退去できる |
- 自宅が向く=作る量が少ない/ネット販売が中心/区画できる部屋と水回りがある/毎月の固定費を増やしたくない
- 物件が向く=お店として人に来てほしい/作る量を増やしたい/家と仕事を分けたい/包装に自宅の住所を載せたくない
- 🍪迷ったときのざっくり基準=まず試したいなら自宅を検討、本気でお店にするなら物件。ただし自宅は「区画できるか」が先で、そこが無理ならうちと同じで物件しかありません
🔴意外と見落とされるのが、表のいちばん下から2つめ——包装に載る住所です。
あとで書きますが、食品表示には「どこで作ったか(製造所の所在地)」を書く必要があります。
自宅で許可を取ると、その住所が商品の袋に印刷されて、買った人の手元に届くということです。
うちの場合の実費も書いておきます。
申請手数料14,000円と、食品衛生責任者の講習が約1万円。(手数料は自治体で異なります。うちは明石市の場合です)
ここは自宅でも物件でも変わりません。
変わるのは改修費で、うちは築40年・家賃5万円以下の小さな物件を借りて始めました。
🔴ここでひとつ、やっておいてよかった話。
この物件で許可が降りるのか分からず、契約する前に保健所へ行きました。
持って行ったのは間取り図と、前が何の店だったか分かる写真だけです。
そこで言われた手洗いの増設や床の作り、照明の明るさは、そのまま内装の図面に入れてもらえました。
契約のあとで聞いていたら、同じ工事をやり直していたはずです。
どちらが正解ということはありませんが、作る量と、かけられるお金と、お店を持ちたいかどうかで変わります。
▼取ると決めたら|まずやることは「電話」です
「やっぱり自分で取ろう」と決めた方へ。
流れだけ、ざっと5段階で書いておきます。
| 段階 | やること |
|---|---|
| ①相談 | 管轄の保健所に電話。物件を決める前に |
| ②準備 | 物件と設備をそろえる(図面が要ります) |
| ③申請 | 保健所に申請書を提出 |
| ④検査 | 保健所の立ち会い検査 ※消防法の届け出や検査が要るかは物件・設備で変わります。 別の制度なので管轄の消防署へ確認を |
| ⑤交付 | 許可証を受け取る |
あわせて「食品衛生責任者」という資格も必要です。
※食品衛生責任者=お店に1人は置かないといけない、衛生の担当者のこと。1日の講習を受ければ取れます(試験勉強はいりません)。
——ここから先、申請書の書き方・図面の作り方・施設基準・費用の内訳・つまずいた失敗談は、全部菓子製造業許可の取り方にまとめました。
実際に取った手順をそのまま書いているので、決めた方はそちらへどうぞ。
▼売るときは「袋の表示」も必要です
許可が取れても、それだけでは売れません。
包装したお菓子には、食品表示が必要です。
——といっても、ここは覚えなくて大丈夫です。表示だけで記事1本ぶんの内容なので、いまは「そういうものが要るんだ」くらいで十分。
あわせて、小さなお菓子屋さんでも「HACCPに沿った衛生管理」——衛生管理の計画を作って記録を残すこと——が求められます。
さきほどの芋クッキーも、袋の裏にはきちんと表示を貼っています。
作ったのはうち、売るのは農家さん——という形です。
このとき表示には、売る人だけでなく「どこで作られたか(製造所)」も必要になります。名前だけでは足りません。
- 名称/原材料名/添加物
- アレルゲン(特に注意が必要です)
- 内容量/賞味期限/保存方法
- 原料原産地名(国内で作った加工食品は原則として必要。書くのはいちばん重い原材料1つについてです)
- 表示に責任を持つ人の名称と住所(製造者、または販売者)
- 製造所の所在地と製造者の名称(どこで作られたかが分かるように)
- 栄養成分表示も原則必要(事業の規模や売り先で例外あり。保健所で確認を)
- ※このほかにも、商品や売り方によって必要な項目があります
書き方は覚えることが多いので、お菓子の食品表示とアレルギー表示に別でまとめています。
アレルゲンの書き漏れは事故につながるので、ここだけは丁寧にやってください。
▼よくある質問(FAQ)
Q. 手作りクッキーは営業許可がいらない食品ですか?
いいえ。販売するために自分でクッキーを製造する場合、原則としてその製造場所に菓子製造業許可が必要です。常温で日持ちするから、少量だから、ネット販売だけだから、知り合いにだけ売るから、といった理由で不要にはなりません。許可がいらないのは、自分では製造せず、できあがった市販品を仕入れて売る場合などです。
Q. 自宅のキッチンでクッキーを作って売れますか?
普段の家庭用キッチンをそのまま使って許可を取ることはできません。ただし自宅の一部であっても、住居部分から区画された営業専用の製造室があり、施設基準を満たせば許可が取れる場合があります。基準は自治体ごとに運用が異なるため、改装する前に必ず保健所へ相談してください。
Q. 1日だけのマルシェやイベントでも許可は必要ですか?
事業として販売するなら必要です。要否を決めるのは「事業として売るのか」「誰がどこで作ったのか」であって、売る期間や場所ではありません。1日だけの出店でも、自分で製造したクッキーを事業として販売するなら製造場所の許可が要ります。ただし学校のバザーなど営業にあたらない催しは扱いが違うため、会場と保健所に確認してください。また会場での販売について、別に届け出が必要になることもあります。
Q. 許可を持っていなくても、自分の商品としてクッキーを売る方法はありますか?
あります。許可を持つ工房に製造を依頼すれば、作るのは工房、売るのは自分、という形にできます。実際に当店では、菓子製造業許可を持たない地元の農家さんから芋パウダーをお預かりして芋のクッキーを製造し、農家さんの商品として販売された例があります。この場合、包装の表示には製造者として当店の名前が入ります。
Q. 仕入れたお菓子を売るだけなら、何も手続きはいりませんか?
常温で保存できる包装済みのお菓子(クッキーや焼き菓子など)をそのまま売るだけなら、製造の許可も営業届出もいらないことが多いです。ただし要冷蔵や要冷凍のものを扱う場合は、2021年の法改正でできた「営業届出」という手続きが必要になることがあります。届出は手数料も更新もなく出すだけですが、その場合は食品衛生責任者が必要です。窓口は許可と同じ保健所なので、あわせて確認してください。
Q. 製菓衛生師やパティシエの資格は必要ですか?
菓子製造業許可を取るために製菓衛生師などの資格は必須ではありません。必要なのは食品衛生責任者で、これは1日の講習を受ければ取得できます。ただし製菓衛生師などの資格を持っている場合は、食品衛生責任者の講習が免除されることがあります。
Q. フリマアプリで手作りお菓子が売られているのはなぜですか?
出品できてしまうことと、適法であることは別の話です。出品されているからといって、その方が許可を取っているとは限りません。必要な営業許可を受けずにお菓子を製造・販売すると食品衛生法違反になります。
▼まとめ|「いらない理由」を探すより、道を選ぶほうが早い

- 自分で焼いて売るなら、原則として菓子製造業許可が必要
- 決まるのは「事業として売るか・作る人・作る場所」。売る場所・量・日持ちは関係ない
- 「許可がいらない」と言われるのは完成品をそのまま売る場合の話
- 許可を持つ工房に作ってもらう道がある(うちが受けた芋クッキーがその例)
- 家庭用キッチンのままでは取れないが、区画すれば自宅でも取れる場合がある
- 取ると決めたら、工事の前にまず保健所へ電話
調べていると「いらない理由」を探したくなります。私もそうでした。
でも実際に取ってみて思うのは、いらない理由を探すより、自分に合った道を選ぶほうがずっと早いということです。
自分で取るのか、作ってもらうのか、まず仕入れて売ってみるのか。道は1つではありません。
うちは物件を借りて許可を取りました。
でもあの農家さんは、許可を取らずに自分の商品を持てたんです。
どちらも正解でした。
たしかに。
「できない理由」より「どうやるか」だね
許可を取ると決めた方は菓子製造業許可の取り方へ。
売り方から知りたい方はお菓子のネット販売の始め方、お金の話が気になる方はお菓子のネット販売は儲かる?をどうぞ。
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