お菓子屋の開業機材、全部でいくら?実額とおすすめ機材紹介
「オーブンと冷蔵庫だけで、いくら見ておけばいい?」
「家にあるミキサーで始められない?」
「細かい道具って、結局いくらかかるの?」
お菓子屋を開くとき、内装の次に大きいのが機材の費用ですよね。
でも「機材だけで全部いくら」と書いた記事は、上位9本を見たかぎり見つかりませんでした。
相場か、工事費と混ざった合計か、価格の無いおすすめリストのどれかです。
この記事では、うちが開業のときに揃えた機材と道具を、全部並べます。
結論から言うと、機材と道具の費用は、全部で約132万円でした。
そのうち、見積書と注文の実物で1円単位まで確かめられるのが約117万円。ニトリや実店舗で買った小物と消耗品が、概算で約15万円です。
私は兵庫県明石市で、妻と2人で棒付きマカロン専門店「いろはのおと」を営んでいます。
2022年8月に、7坪の店を借りて開業しました。
金額は、見積明細・決算書・注文履歴・仕入先のメールに残っている数字をまとめました。
この記事を読めば、菓子工房の設備と道具に何をいくら見ておけばいいか、自分の予算の枠が決まります。
うちの実例なので、地域や商品が違えば金額は変わります。
「何に、どれくらいかかるものなのか」の目安として読んでください。
そういえば毎日さわってる機械なのに、いくらしたのか知らないかも。
機材と道具だけなら約132万でした。今回は大きい機械から絞り袋まで、全部出しますね。
- 機材と道具だけの合計が実額でわかるから、予算の枠が決まる
- 大型の厨房機器5点の実額がわかるから、見積書と比べられる
- 家庭用で代替した機材の4年後がわかるから、業務用にするか決められる
- 絞り袋や棒の1個あたりの値段がわかるから、毎月の消耗品が読める
- 保健所に先に相談した結果がわかるから、工事のやり直しを避けられる
- 揃えた順番がわかるから、何から買うかで迷わない
▼結論|機材と道具で約132万円
先に、全部を1つの表にします。
| 区分 | 中身 | 金額 |
|---|---|---|
| 大型の厨房機器 | 冷凍冷蔵庫・台下冷蔵庫・オーブン・架台・2槽シンク・据付 | 979,000円 |
| 家庭用で代替した機材 | スタンドミキサー・冷凍庫 | 100,490円 |
| 店を回す機材 | ラベルプリンター・レシートプリンター・複合機・黒板・誘導標識 | 88,746円 |
| 小物と消耗品 | 型・ボウル・絞り袋・棒・ラップなど | 約15万円(概算) |
| 合計 | 約132万円 |

上の3行は、見積書と注文履歴の実物どおりの金額です。
- 台下冷蔵庫=作業台と冷蔵庫が一体になった物
- 2槽シンク=洗う場所と、すすぐ場所が分かれたシンク
- ミニデッキオーブン=天板ごと出し入れする業務用オーブンの、小さいサイズ
- 架台=オーブンを載せる専用の台。オーブンとは別売りです
- 据付=業者が厨房まで運んで、置いて、使える状態にする作業のこと。工事費とは別に請求されます
4行目だけは概算です。ニトリやシモジマの実店舗で買った物が多く、レシートが残っていません。
この表にレジと決済端末が入っていないのは、うちがいちばん最後に決めたからです。理由はこの記事の後半に書いています。
揃えた順番は、こうでした。
| 時期 | 揃えた物 | 決め方 |
|---|---|---|
| 2022年3〜5月 | 大型の厨房機器5点 | 2社の見積を比べて決めた |
| 2022年7月 | ミキサー・ラベルプリンター・誘導標識 | 自分で楽天で買った |
| 2022年8月(開店) | 絞り袋・棒・ラップ・包装資材 | シモジマにまとめて注文 |
| 2022年10月 | 冷凍庫・レシートプリンター | 足りないと分かって買い足した |
先に許可に関わる大型機器、次に作るための道具、最後に売るための機材、の順です。
この順番にした理由は、あとの章で書きます。
▼大型の厨房機器5点の実額
いちばん大きいのが、この5点です。
工事をお願いした内装会社に、機器も一緒に頼みました。



| 品目 | 型番 | 見積書の金額(税抜) |
|---|---|---|
| 冷凍冷蔵庫 | SRR-K961CSB | 283,334円 |
| 台下冷蔵庫 | SUR-N1545J | 137,667円 |
| ミニデッキオーブン | MBDO-5ME | 331,667円 |
| オーブン架台 | MBK-5M | 62,556円 |
| 2槽シンク | BS2-104 | 38,445円 |
| 搬入・据付 | — | 38,889円 |
| 端数の値引き | — | −2,558円 |
| 合計 | — | 税抜890,000円(税込979,000円) |
7坪の店では、作業台を別に置く場所が無かったので、台下冷蔵庫の天板を作業台にしています。
もう1社の見積は、同じ4品目で税抜1,040,000円でした。
うちが払った同じ4品目は税抜716,002円なので、差は約32万円です。
差の大半は冷凍冷蔵庫の機種の違いです。同じ型番の物は、2社でほとんど値段が変わりませんでした。
32万も違うなら安い方でよかったのに。使うのは同じでしょ?
実は、安い方に決めました。でも決め手は値段より「どの機種を出してきたか」でしたね。
見積書の読み方と中古店の値札は、厨房機器の見積書が高いか分からない人へに書いています。
業務用の大型機器は、工事と一緒に業者に頼んだので、この記事では通販のリンクを付けていませんのでご了承ください。
▼家庭用で代替した機材
大型は業務用で揃えましたが、次の3つは家庭用です。
うちで一番使っている機械も、この中にあります。

| 品目 | 型番 | 値段 | 買った先 | 時期 |
|---|---|---|---|---|
| スタンドミキサー | KitchenAid 9KSM95ER(4.28L) | 55,980円 | 楽天 | 2022年7月 |
| 冷凍庫 175L | アイリスオーヤマ IUSD-18A-W | 44,510円(送料込) | Amazon | 2022年10月 |
| 食洗機(工事不要) | simplus SP-DID01-WH | 29,999円 | 通販 | 2025年4月 |
ミキサーは、妻がパティシエ時代に使い慣れていた物を選びました。業務用にするか迷った記憶はありません。
選ぶなら、容量4〜5Lで、使い慣れたメーカーの物をおすすめします。
冷凍庫は前開きで工事が要らない物が、あとから足しやすいです。
冷凍庫は、開店して2か月で買い足しました。
理由は単純で、業務用の冷凍冷蔵庫だけではマカロンの冷凍保存が足りなかったからです。


ミキサーは毎日回してるけど、4年で一度も止まってないよ〜
冷凍庫も故障なしですね。食洗機は去年入れたばかりですが、今のところ順調です。
食洗機は、1人で回す日に洗い物の時間を別の仕事に回せます。
工事不要で置くだけ、水を足すだけなので、家庭にも欲しいくらいの設備です。
▼売るための道具
作る機械の次に要ったのが、売るための機材でした。
ここは意外と見落とされます。
| 品目 | 型番 | 値段 | 買った先 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| ラベルプリンター | Brother QL-820NWB | 42,800円 | 楽天 | 食品表示ラベル |
| レシートプリンター | セイコー MP-B20 | 19,800円 | Amazon | レジのレシート |
| レーザー複合機 | Brother DCP-L2550DW | 16,530円 | Amazon | 書類・POP |
| A型黒板 | 馬印 WA450VK | 6,776円 | シモジマ | 店頭の案内板(今は使っていない) |
| 避難誘導標識 | 蓄光式 | 2,840円 | 楽天 | 消防の指摘で設置 |
| 合計 | 88,746円 |

ラベルプリンターは、開業前の7月に買いました。食品表示のラベルは、お菓子を売るなら商品ごとに必要です。
実店舗を持つなら、これは迷わず買ってよい機材です。うちのは幅62mmのロールにWi-Fiで印刷できる型で、食品表示ならこれで足りています。
ラベルは毎日ここで刷ってるけどこの機械、4万円もしたんだ(笑)
高いですが、これが無いと商品が売れません。食品表示の話は別の記事にまとめてますので是非チェックしてください。
レシートプリンターは、開店して2か月後に買いました。
きっかけはイベント出店です。それまでは、ネット注文は自動で領収書が出るので問題なく、店頭は手書きで対応していました。

避難誘導標識は、消防署の事前相談で言われて買いました。
金額は小さいですが、無いと検査で止まります。
▼小物と消耗品の実額
ここが、どの記事にも書かれていない部分です。
小さい物ほど繰り返し買うので、年間で見ると大きくなります。

まず、記録が残っている物から。
| 品目 | 買った先 | 単位 | 値段 | 1個あたり |
|---|---|---|---|---|
| 絞り袋(使い捨て) | シモジマ | 100枚 | 1,914円 | 約19円 |
| 棒(無地・2022年) | シモジマ | 50本 | 82円 | 約1.6円 |
| 棒(名入れ・2024〜25年) | 松岡商店 | 4,000本 | 22,550円 | 約5.6円 |
| 棒(名入れ・2026年) | 松岡商店 | 4,000本 | 27,225円 | 約6.8円 |
| 乾燥剤(シリカゲル1g) | シモジマ | 100個 | 319円 | 約3.2円 |
| クッキングシート 33cm×20m | シモジマ | 1本 | 385円 | — |
| 業務用ラップ 30cm×50m | シモジマ | 1本 | 396円 | — |
お店の刻印入りの棒、毎日さしてるけど1本いくらか知らなかったかも。
1本5〜7円です。年に4,000本使うので、2万円台。看板商品なので、ここはケチりませんでした。


棒付きマカロンの棒は、開業のときはシモジマの無地の棒でした。
開業から半年後に、名古屋の松岡商店という包材屋さんで、店名の焼き印入りに変えました。1本あたりは無地の3.5倍ですが、年間で2〜3万円です。
次に、記録が残っていない物。
型・ボウル・温度計・スケール・ふるい・ゴムベラは、ニトリとシモジマの実店舗で揃えました。妻も私も、1つずつの値段は覚えていません。
だから、帳簿から逆算した概算です。
そして、包装資材。
これは機材ではありませんが、開業のときに一緒に出ていくお金なので書いておきます。

開店した2022年8月から半年で、シモジマだけで16回注文して約15万円。これは機材の合計とは別枠です。
箱の専門店にも4回注文していて、その分はこの15万円に入っていません。
箱・袋・リボン・シールは、機材より先に無くなります。
箱と袋は気づいたら無くなってるね。
そうなんです。開業の予算に「包装で15万」を入れている人は少ないと思います。
乾燥剤と脱酸素剤の使い分けや、袋の選び方は、「乾燥剤と脱酸素剤の違いは?焼き菓子店の袋の選び方と実物」にまとめています。
箱をどこで買っているかと1枚の値段は、「クッキーの箱はどこで買う?焼き菓子店が使う店と1枚の値段」にまとめています。
▼保健所には、契約する前に相談した
物件を契約する前に、図面を持って保健所へ相談しました。
この3つは明石市の保健所で実際に言われたことです。
ただし温度計は省令に明記されています。食品衛生法施行規則の別表第十九に「冷蔵、冷凍、殺菌、加熱等の設備には、温度計を備え」とあります。
手洗いは「流水式手洗い設備」、シンクは「使用目的に応じた大きさ及び数の洗浄設備」とだけ書かれています。
つまり「お湯が出る」「2槽以上」という形は、自治体の運用で決まります。(2026年9月時点・e-Gov法令検索)
契約の前に聞けたので、指摘を全部そのまま工事の図面に入れられました。やり直しは出ていません。
自治体で違うので、自分の保健所に図面を持って確かめてください。
窓口は生活衛生課です。契約の前に電話して、図面を見てほしいと言えば見てもらえます。
買い直したのは、消防署の指摘で1つだけです。
住宅用の消火器をホームセンターで買ってしまい、業務用に買い直しています。
許可の取り方と、つまずいた5つの話は、菓子製造業許可 取り方完全マニュアルに全部書いています。
▼自宅で始めなかった理由
最初は、自宅の一室を区画して始めることも考えました。
4つとも当てはまったので、店を借りました。
自宅で許可を取る道も、確かにあります。
うちが選ばなかっただけで、否定はしません。
ただ、家庭用のオーブンで1日に焼ける量には限りがあります。
売る量を先に決めてから、機材を決めたほうが後悔が少ないです。
▼4年後の答え合わせ
2022年に買って、2026年の今です。
大型の厨房機器5点は、要らなかった物がひとつもありません。
冷凍冷蔵庫もオーブンも毎日使っています。

買い直したのは消火器だけでした。
ただ、買ったのに今は使っていない物が1つあります。店頭に出していたA型黒板です。

理由は、B2サイズの看板を別に作ったからです。
黒板は毎回書き直す手間がかかり、書くのは妻でした。看板を1枚作ってからは、黒板の出番が無くなりました。
→ Canvaでお店の看板を自作|B2ポスター1枚2,343円を10回刷った店主の実額と作り方
買い足した物は、こうです。
| 時期 | 買った物 | 値段 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 2022年10月 | 冷凍庫 175L | 44,510円 | マカロンの冷凍保存が足りなかった |
| 2022年10月 | レシートプリンター | 19,800円 | イベント出店で必要になった |
| 2022年10月 | 2口IHクッキングヒーター | 9,498円 | ジャムを炊くのに使う |
| 2023年3月 | ボウル2点・シリコンマット | 3,616円 | 型と道具の買い足し |
| 2023年4月 | イーゼル | 2,691円 | 店頭のPOP用 |
| 2023年5月 | 折りたたみテーブル2台 | 約1万円 | マルシェ出店用 |
| 2025年4月 | 食洗機(工事不要) | 29,999円 | 洗っている間に仕事を進めるため |
▼レジは機材の最後に決める
機材の中で、うちがいちばん最後に決めたのがレジと決済端末です。
理由は2つです。
1つめは、レジが許可に関係ないこと。
2つめは、カード決済は開店前でも申し込めると知らなかったことです。公式のよくある質問には、オープン予定の店舗でも申し込めると書かれていました。
それを知らずに開業してから申し込んだので、2か月は現金だけで営業しました。くわしくはエアペイの審査は厳しい?落ちた実例と使えるまでの全記録に書いています。
レジ本体を決めるのは最後でかまいませんが、決済の申し込みだけは機材と並行して進めてください。
レジ本体はiPadとアプリで、月額0円で始められました。
端末の申し込みから使えるまでに12日かかっています。
お菓子屋に合うレジと決済の選び方は、別の記事で4年分の実例を出しています。機材の予算が決まったら、次はこちらです。
レジ選びも、相談だけなら開業の前にできます。
▼よくある質問
Q1. お菓子屋の機材は、全部でいくらかかりますか?
A. うちは合計で約132万円でした。内訳は3つです。
大型の厨房機器5点で979,000円、家庭用で代替した機材と店を回す機材で約19万円、小物と消耗品が概算で約15万円です。内装工事と物件のお金は別です。
Q2. 家庭用のミキサーや冷凍庫で足りますか?
A. うちはミキサーと冷凍庫を家庭用で揃え、4年たっても買い替えていません。
ただしメーカーの保証は受けられないことがあるので、壊れたら買い替える前提で使っています。
Q3. 中古の厨房機器は安いですか?
A. 中古店を1店見に行きましたが、うちは新品にしました。
値札に載っていない運搬や据付のお金があり、通販のほうが安い物もあったからです。詳しくは厨房機器の見積書の記事に書いています。
Q4. 何から揃えればよいですか?
A. うちの順番は、許可に関わる大型機器(シンク・冷蔵庫・オーブン)が最初です。
次に作るための道具、そのあとに売るための機材(ラベル・レシート)、最後にレジでした。レジは開店してから決めても間に合いました。
Q5. 絞り袋や棒は、どこで買っていますか?
A. 絞り袋と乾燥剤はシモジマ、棒付きマカロンの棒は名古屋の松岡商店で店名の焼き印入りを4,000本ずつ買っています。1本5〜7円です。
Q6. 保健所の基準で、必ず要る機材は何ですか?
A. うちの保健所では、2槽以上のシンク・お湯が出る手洗い場・温度計つきの冷蔵庫でした。自治体で違うので、契約前に図面を持って相談してください。
▼まとめ

こうして並べると、うちの厨房ぜんぶで132万円なんだね。
大きい物は最初に、小さい物は足りなくなってから。それで4年やってこられました。
▼お菓子屋を開く人が読む順
機材の話はここまでです。
お店を開くまでには、他にも決めることがあります。うちがやった順に並べておきます。
①全部でいくらかかったかを知る
②許可を取る
③機材の見積書を読む
④レジと決済を決める
⑤全体の流れを確かめる
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