安定を捨ててマカロン店を開いた、4年後の正直な答え合わせ【コラム】
こんにちは。兵庫で棒付きマカロンの専門店を、夫婦で4年営んでいる店主のいろは(夫)です。
妻はお菓子を作るパティシエ、私はお店の運営やこのブログを担当しています。
私はもともと、大手メーカーの会社員でした。
毎月決まった日に振り込まれる給料も、夏と冬のボーナスも、「会社員」という肩書きもありました。
それを全部手放して、妻と二人でお店を始めて4年になります。
独立って、「自由でかっこいい!」というイメージありませんか?
でも実際にやってみると、自由の代わりに“自分で決めて、自分で責任を持つこと”がぐっと増えました。
この記事は、独立をおすすめするためのものではありません。
安定を手放した私が、4年経った今どう感じているかを、いいことも、そうでないことも、正直に書きたいと思います。
これから独立を考えている方が、勢いだけで決めてしまわないための材料になればうれしいです。
- ✅会社を辞めて独立した人の、4年後の本音がわかる
- ✅「安定」を手放すと、実際に何が変わるのかがわかる
- ✅独立して身についたお金の使い方の考え方がわかる
- ✅独立を後悔しないために、辞める前に確かめることがわかる
- ✅自分に独立が向いているか、考えるヒントが見つかる
4年、あっという間だったね。
ほんとに。
でも「辞めてよかった?」って聞かれたら、迷わず答えられるようになったよ。
▼会社を辞めた、きっかけ
かっこいい理由を言えたらいいのですが、正直に言うと、入口はもっとしょうもない理由でした。
「なんでこんなに不満をがまんしながら働かなきゃいけないんだ」
——当時、私はそう感じていました(笑)。
誰かと喧嘩したわけでも、いじめられたわけでもありません。むしろ当時の上司には、よくしてもらっていました。
ただ、会社では上司が変われば、自分の評価もガラッと変わります。
人によって扱いが変わる環境の中に、ずっと自分を置いておくのが、だんだんしんどくなってきたんです。
そんなとき、コロナ禍が重なりました。
在宅勤務が増えて、ふと「このまま会社の給料だけに頼っていて、大丈夫なのかな」と考えてました。
その不安が、「何か自分で始めてみよう」と動き出すきっかけになりました。
▼「給料がなくなる不安」は、2年かけて小さくしていた
よく「独立、怖くないんですか?」と聞かれます。
正直な話、辞めると決めた前の夜も普通にぐっすり眠ってました。
強がりではなくて、ちゃんと理由があります!(笑)
辞めると決めてから開業まで、約2年、毎朝5時に起きて、簿記とプログラミングの勉強を続けたからです。
しかも当時は、子どもが生まれるタイミング。
普通なら一番“守りに入る”時期ですよね?
それでもコツコツ準備していたので、いざ辞めるときには「怖い」よりも「やることはやった」という気持ちのほうが大きかったんです。何より、後悔したくないという気持ちでいっぱいでした。
妻も、私の独立にほとんど反対しませんでした。
これも、いきなり「店をやりたい!」と言い出したわけではなく、2年間、口だけじゃなく実際に手を動かしている姿を、そばで見てもらっていたからだと思います。
信頼って、言葉じゃなくて、積み重ねでしか作れないんだなと、今になって感じます。
私が会社を辞めるって聞いたとき、正直、不安じゃなかった?
突然だったしそりゃ不安はあったよ!
でも2年間ずっと勉強して準備してたから、「私もやってみたいかな?」って思えたよ〜。
▼独立して分かった「自由」の大変さ
会社員を辞めて一番変わったのは、誰も指示してくれないことでした。
何を作るか、いくらで売るか、どこで売るか。うまくいかなかったときの責任も、全部自分たちに返ってきます。
会社員のときは「自分で判断しなくていい」ことがストレスだったのに、いざ全部が自分の判断になると、これはこれで重くて大変です。
自由って、“何でも決めていい”ではなくて、“何でも決めなきゃいけない”責任が伴うんだと気づきました。
給料も当然ですが自動では入ってきません。
会社員時代に貯めた貯金が減っていくのは、正直、嫌でした。
でも、ここも準備のおかげで、「覚悟していたから、そこまで気にならなかった」というのが本音です。
ローンや借金はせず、生活に無理のない範囲で始めたのも大きかったです。
それに、売上は4年やった今でも読めません。「今月はちょっと落ちそうだな」という月もあります。そういうときは、とにかく動く。手を止めずに、できることを片っ端からやる。会社員時代のように“何もしなくても給料日が来る”ことは、もうないんだなと痛感します。
正直に言うと、“休み”という感覚もほとんどなくなりました。お店が開いていない日も、気づけば何かしら仕事をしています。しんどくないと言えば嘘になりますが、これは“自分で選んだ大変さ”なので、会社員時代の我慢とはまるで別物なんです。
実際独立しての自由ってどうなの?
自由というより、“決めることが増えた”感じかな。
これがストレスって人は独立は向いてないかもしれませんね
▼それでも「辞めてよかった」と、心から思えた瞬間
4年やってきて、「この瞬間のために辞めたのかもしれない」と思える出来事があります。
あるお客さんが、両家の顔合わせに、私たちのマカロンを使ってくれたことがありました。しかも後日、わざわざ「無事に結婚まで進みました」とお店まで報告に来てくれました。
自分たちが作ったお菓子が、誰かの人生の大事な場面に寄り添って、そのうえ良い結果につながった。
マカロンを売って終わりではなく、その後の幸せまで聞かせてもらえた。
あのときの気持ちは、今でも忘れられません。この話は、今でも妻と二人でよくします。
「お客さんの思い出に残るお店にしていきたい」。
会社員のままだったら味わえなかった喜びです。
結婚の報告を聞いたとき、うれしかったね。
うん。あれは、辞めてよかったって心から思えた瞬間だったな。
▼独立して身についた、「投資か、出費か」の考え方
自由になったからこそ、お金の使い方には、自分たちの物差しが必要になりました。私の基準はシンプルで、「元を取る計画がないものは、私にとっては投資ではなく、ただの出費」だと考えています。
気をつけているのは、“自己投資”という言葉に逃げないこと。
なんとなく本を買ったり講座を受けたりして、「これは自己投資だから」と自分を納得させるのは簡単です。
でも、それが売上やお客さんの役に立たないなら、私はただの出費だと考えています。
もちろん、勉強そのものを否定しているわけではなく、あくまで“今の自分の優先順位”の話です。
正直に言うと、中小企業診断士の勉強もいったん優先順位を下げました。
あきらめたわけではありません。
ただ今は、資格の勉強に時間を使うより、ブログを書いたり、TikTokのライブをしたり「どうすればお客さんの役に立てるか、知ってもらえるか」を実際に手を動かして考えるほうが、自分には必要だと判断しました。
稼ぐことから逃げない。
これは独立して一番鍛えられた感覚かもしれません。
▼私は会社員に戻りたいとは思わない
正直、「会社員に戻りたい」と思った日は、この4年で一度もありません。
仮に年収1000万円で立派なビルに住む会社員と、年収400万円でアパート暮らしの自営業があったとしたら。
私はノールックで後者を選びます(笑)。
それくらい、自由が自分の性格に合っているんだと思います。
会社員のときはあまり感じませんでしたが、もう満員電車には乗れないなあ、としみじみ思います。もちろん、しっかり稼ぎたい気持ちは人一倍あります。
——ただ、ここは強くお伝えしたいのですが、これは「自由が私の性格に合っていた」からです。
収入の安定や、住まい、家族の安心を一番に大切にしたい人にとっては、会社員を続けるほうが正解なことも当たり前にあります。
どっちが偉い、どっちが優れてるという話ではまったくありません。
▼独立を考えている人が、先に確かめてほしいこと

ここまで私の答え合わせを書いてきましたが、いちばん大事なのはあなた自身の答えです。だから、私の結論より先に、あなたが「失うもの・手に入れたいもの・立て直し方」を書き出してみてほしいんです。
もし今、あなたが独立を考えているなら、辞表を出す前に、3つだけ紙に書き出してみてほしいです。
- 失う「安定」は具体的に何か(給料・ボーナス・信用・休み…)
- 独立して手に入れたいものは何か
- うまくいかなかったときの立て直し方(貯金・スキル・再就職の可能性)
それともう一つ。私が実際にやってよかったのは、毎月の生活費を書き出すことでした。
家賃・食費・保険料など、毎月いくら必要かを家族で書き出して、「売上がすぐに安定しなくても、何か月なら暮らせるか」を先に確かめたんです。
勢いで辞める前に、自分の家計で確かめておく。
これだけで、独立後の不安はぐっと減ります。
そのうえで、それを持って家族と30分だけ話してみる。
私が2年かけてやったのは、結局この“見える化”と“信頼の積み重ね”でした。勢いで飛ぶよりずっと着地が安定します。
開業の実務(開業届やお金まわり、再就職手当など)は、別の記事でくわしくまとめています。心が決まったら、そちらものぞいてみてください。
▼まとめ:答え合わせは、人の数だけあっていい
安定を手放して4年。私にとっては、収入や住まいよりも自由を大事にできる自営業が、正解でした。
でも、それがあなたにとっての正解かどうかは、生活費・貯金・家族の安心まで確かめてから決めてほしいと思います。
答え合わせは人の数だけあっていいはずですよ。
これからもみなさんの役に立つ情報を発信していくので、ぜひよろしくお願いします!
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