「ハンドメイドの値段、いくらにすればいいの?」

「高くしたら売れない気がして、つい安くしてしまう…」

心を込めて作ったものに値段をつけるのは、自分自身に値段をつけるみたいで、こわいですよね。

わたしは兵庫県明石市で、妻と2人で棒付きマカロン専門店を営んでいます。

2022年に開業してから、材料費が上がるたびに値上げもしてきました。

結論から書くと、ハンドメイドの値段設定は「原価・相場・自分の時給」の3つで決めます。

うちは原価率3割を目安にしていますが、帳簿で材料の仕入れだけを見ると、売上の約2割でした。

低いからもうかっている、ではありません。

残りの8割から、包装・手数料・家賃と、2人の手間を出しているからです。

この記事では、うちの値上げの実例と、数字を入れるだけで値段と時給が出る計算表で、値段の付け方を紹介します。

明石のマカロン店「いろはのおと」の店舗外観
▲明石で夫婦でやっている小さなマカロン店です

値段をつけるのって怖いの?

うん。決める基準がないと、「この値段で買ってもらえるかな」って怖くなるよね。

🙆こんな人に向いています

  • ハンドメイド作品やお菓子を売っている(売りたい)人
  • 値段をつけるのが怖くて、つい安くしてしまう人
  • 値上げしたいけど、お客さんが離れないか不安な人

🙅こんな人には向いていません

  • 大企業の価格戦略を学びたい人
  • 値段を1円単位で最適化する数式を知りたい人
いろはのアイコン

この記事を書いた人

いろは

明石市・棒付きマカロン専門店「いろはのおと」店主(2022年8月開業)

  • ✓ 妻が作り、私が売る形で運営している(製造は妻・宣伝広告や運営は私)
  • ✓ 確定申告は4回(2022〜2025年分)すべて自分で提出、税理士なし
  • ✓ 簿記2級・FP2級を取得
  • ✓ 関西テレビ「ドっとコネクト」・テレビ山口「mixデリバリー」(2025年)・BAN-BANテレビ「ひがタン!」・明石ケーブルテレビ「まるっとあかし」で紹介。山陽電車の情報誌「ESCORT」、明石市の広報誌「広報あかし」(2026年9月号)にも掲載

🏠お店のサイト(いろはのおと) 🧵Threads 𝕏更新のお知らせ

▼結論|ハンドメイドの値段設定は「原価・相場・自分の時給」の3つで決める

値段が怖いのは、決める基準を持っていないからです。

基準さえあれば、値段は度胸試しではなく、計算と判断になります。

値段の決め方には、大きく2つの考え方があります。

  • 原価に、欲しい利益を乗せるやり方
  • 売れている商品の値段をもとにするやり方

うちはこの2つを、お店ですぐ使える「3つの軸」にしています。

いろはのおとの棒付きマカロン(四季)
▲棒付きマカロン〜四季〜
軸見るものひとことで言うと
原価材料費・包装「ぜんぶ、ならして3割」
相場売れているライバル店「人気店をベースに」
自分の時給作る時間「時給を乗せる(うちは5,000円)」

使う順番も決めています。

まず相場でだいたいのラインを決めます。

次に、原価が3割に収まるかを確かめます。

最後に、自分の時給の分が残るかを確かめます。

こうすると、3つがバラバラの計算ではなく、1本の判断の流れになります。

▼ハンドメイドの原価計算表|材料費・手数料・時給を入れると値段が出る

先に、計算表を置いておきます。

材料費・作る時間・売る場所の手数料を入れると、その場で値段と時給が出ます。

登録もアプリも要りません。

  • 材料費(1個):まとめ買いした材料は、買った金額÷作れる個数で出す(1袋600円で20個作れるなら30円)
  • 作る時間(1個):1個あたりの分。梱包の時間も入れる
  • 売りたい値段:いまの値段を入れると、③でいまの実質時給がわかる

🧮値段と時給の計算表

数字を入れると、その場で計算します(入力した数字は、どこにも送られません)。

① 原価率から出した値段:—
② 時給まで乗せた値段:—
③ 売りたい値段のときの実質時給:—
④ 売りたい値段のときの原価率:—

※①②は10円単位で切り上げています。消費税・振込手数料・出店料・1件ごとの手数料(BASEの40円など)は入っていません。最初に入っている数字は計算の例です。

最初に入っている数字は例です。

材料と包装で180円の作品は、原価率3割なら180÷0.3=600円です。

この600円を「売りたい値段」に入れて、1個15分で作るとして計算しています。

ただ、手数料10%(minneやCreemaくらい)を引くと、実質の時給は1,440円になります。

時給1,500円に届かせるには、620円が必要だとわかります。

180円に時給1,500円の15分ぶん(375円)を足して0.9で割ると約617円なので、10円単位で切り上げて620円です。

手数料の欄には、売る場所の手数料を入れる

同じ600円で売っても、売る場所によって手元に残る額は変わります。

主な売る場所の手数料を、2026年10月に公式ページで確かめました。

売る場所手数料
minne10.659%+振込1回220円
Creema作品10.67%/食べ物15.4%
BASE(無料プラン)3.6%+40円+3%
STORES(無料プラン)5.5%〜
Shopify(ベーシック)月4,850円+カード3.55%
店頭のカード(Airペイ)3.24%
※minne・Creemaは税込。ShopifyはBasicプランの月払い(年払いなら月3,650円)。手数料は変わることがあるので、最新は各公式サイトでご確認ください。

BASEの無料プランなら、計算表の手数料の欄には6.6%を入れます。

1件40円は計算表に入っていないので、出た値段に40円ほど足して考えてください。

お菓子をCreemaで売る場合は、作品より高い15.4%になります。

minneとCreemaは、送料にも同じ率の手数料がかかります。

マルシェや委託販売は、手数料の形が違います。

  • マルシェ:出店料が決まっている会場と、売上の15%を払う会場があった
  • 委託販売:以前出品していたお店では、売上の25%が手数料だった

出店料が決まっている会場は、売れるほど1個あたりの負担が軽くなります。

たとえば出店料3,000円の会場なら、もと手180円の作品を600円で現金で売ると1個420円残るので、8個売ってやっと出店料が戻ります。

売上の何%を払う会場や委託販売は、その分を値段に入れておかないと、売れるほど時給が下がります。

600円で売ったら、手元にいくら残る?

上の手数料で、600円の作品を1個売ったときに手元に残る額を計算しました。

売る場所手元に残る額
店頭のカード(Airペイ)約581円
Shopify(ベーシック)約579円
STORES(無料プラン)約567円
minne/Creema(作品)約536円
BASE(無料プラン)約520円
売上の15%を払う会場510円
Creema(食べ物)約508円
委託販売(25%)450円
※1個あたり・1円未満は四捨五入。送料・月額・振込手数料・出店料は入れていません。

同じ600円でも、手元に残る額は約450〜581円で、約130円違います。

1個15分の作品なら、130円の差は、時給にすると約520円の差です。

売る場所を決めてから値段を見直すと、時給の計算がずれません。

うちは、ネットはShopify、店頭とマルシェのカード決済はAirペイを使っています。

自分のネットショップを持つなら、月額0円で始められるSTORESとBASEから。うちが使っているShopifyは月4,850円かかるので、600円の作品なら、手元に残る額でBASEを上回るのは月約80個から、STORESを上回るのは月約400個からです。
※手数料・料金は変わることがあります。最新は各公式サイトでご確認ください。

▼【軸1】原価率は「1個ずつ」ではなく「ぜんぶ、ならして3割」

まず原価です。

うちのお店は、原価率3割を目安にしています。

原価率は、売値のうち「もと手」(材料費・包装など)がどれくらいかの割合です。

原価率3割なら、600円の商品のもと手は180円です。

🧮原価率3割の値段の出し方
  • ① 1個にかかる「もと手」(材料費+包装・ラベルなど)を全部たす
  • ② その金額を0.3で割る

もと手が180円なら、180÷0.3=600円です。

もと手を約3.3倍する、と覚えてもかまいません。

売値の3割が原価なら、残りの7割で、自分の時給・利益・家賃・販売手数料をまかないます。

ここで、ひとつコツがあります。

1個ずつ全部を原価率3割にしなくていい、ということです。

商品には、ざっくり2種類あります。

  • 集客のための商品:お客さんが手に取りやすい入口の商品。利益は薄め
  • しっかり利益をいただく商品:こだわりの一品やオーダー品。利益は厚め

入口の商品は、高くしすぎないことが大事です。

自信がある人ほど、一番安い商品まで高くしがちですが、それだと入口が狭くなります。

反対に、こだわりの商品は、しっかり高くします。

小さなお店ほど、利益の出るものを少なく売る「厚利少売」が基本です。

薄利多売は、体力のある大きな会社の戦い方です。

入口は薄く、こだわりは厚く、お店全体でならして3割になっていれば大丈夫です。

💡ハンドメイド作家さんへ:材料費の割合は、作るものによって全然違います(アクセサリーは材料が安め、革や陶器は高めなど)。

大事なのは数字そのものより、1個ずつではなく、お店全体でならして見ることです。

全部の商品を、原価率3割ぴったりにしなきゃダメ?

ううん、お店ぜんぶでならして3割でいいんだよ。全部きっちりは苦しくなるからね。

原価に入れ忘れやすいもの

材料費のほかにも、1個ごとにかかるお金があります。

  • 包装:袋・箱・乾燥剤・リボン・シール
  • 試作や失敗した分の材料

うちは送料を商品の値段とは別にいただいているので、原価率の3割に送料は入れていません。

送料込みで売るときや、いただく送料より実際の送料が高いときは、その分ももと手に足してください。

販売手数料・決済手数料・振込手数料と、マルシェの出店料・交通費は、もと手とは別に引きます。

計算表では、販売手数料を手数料の欄に入れます。

うちの焼き菓子の詰め合わせでは、箱代だけで値段の約2〜5%でした。

袋と乾燥剤も、1つ約12〜13円かかります。

箱や袋をどこで買って、1枚いくらだったかは、クッキーの箱の記事にまとめています。

1つずつは小さくても、まとめると原価率が数%変わります。

帳簿で見た、材料だけの原価率

では、うちは本当に3割なのか。

確定申告の帳簿で、材料の仕入れが商品の売上の何%かを出してみました。

期間材料の仕入れの割合
2025年(1年間)18.8%
2026年1〜6月21.9%
※帳簿の「仕入」を商品の売上で割ったもの。包装・送料・手数料は入っていません。

包装が入っていない数字とはいえ、目安の3割よりだいぶ低いです。

でも、これは「もうかっている」という意味ではありません。

この数字には、作っている妻と、売っているわたしの手間が1円も入っていないからです。

材料費だけで値段を決めると、原価率が低く見えて「十分もうかっている」と勘違いしやすくなります。

原価率がいくら低くても、手間の分は原価率には出てきません。

だから手間は、3つ目の軸の「自分の時給」で別に乗せます。

▼【軸2】相場は「売れている店」をもとにする

次が相場、つまり「まわりはいくらで売っているか」です。

ライバルの値段を見るのは、その値段がすでに「市場の答え」だからです。

人気のお店がその値段になっているのは、それより高くても安くても、うまくいかなかったからです。

  • もっと高くしたら、お客さんが減って、トータルでは売れなくなった
  • もっと安くしたら、利益が残らなくて続かなくなった

人気商品の値段は、誰かが先に試してたどり着いた答えです。

ゼロから自己流で決めるより、まず売れているお店の値段をもとにするほうが、失敗が少なくなります。

ただし、人気店が売れているのは、値段だけが理由とは限りません。

ブランド力・立地・歴史・常連さんといった、値段以外の強みで売れていることも多いです。

人気店の値段は「絶対の正解」ではなく、ひとつの目安として見てください。

うちは、近所のお店とネットの同じジャンルのお店を調べて、まずは真ん中〜やや上に値段を置きます。

味・見た目・体験で中身が用意できてきたら、リピートや評判を見ながら一段ずつ上げます。

調べた中の「一番上」に合わせるのは到達点で、スタート地点ではありません。

中身が先、値段はあとです。

相場を見るときの注意

  • 大企業ではなく、自分と同じくらいの規模で売れているお店を見る
  • ライバルの一番安い目玉商品だけをまねしない(客寄せの商品かもしれない)

minne・Creemaで相場を調べる手順

  • 同じジャンル・同じテイストの作品を検索する
  • レビューやお気に入りが多い作家さんを5人ほど選ぶ
  • その人たちの値段をメモして、真ん中の値段を出す
  • お菓子なら、近所のお店やGoogleマップの写真も見る

レビューやお気に入りが多い人は、市場の答えを持っている人です。

初心者のうちは、オリジナルの値段戦略より、売れている人のまねから始めるのが近道です。

マルシェの見本箱に並べた棒付きマカロンの見本と、商品名・価格・アレルギー表記を書いた黒板の値札。
▲マルシェの見本と黒板の値札(限定の味は1本700円・ミニ500円)

見た目って値段に関係あるの?

あるよ。商品写真や値札をCanvaなどでデザインを整えると、その値段に納得してもらいやすいんだ

▼【軸3】自分の時給を乗せる(うちは5,000円)

3つ目の軸が、いちばん忘れられがちです。

それが、自分の作業時間、つまり自分の時給です。

材料費は計算するのに、作っている時間をタダにしてしまう人が本当に多いです(昔のうちもそうでした)。

材料費と同じ値段で売ると、自分の手間賃はまるごとゼロです。

それでは、続けることも、お店を大きくすることもできません。

だから、うちは目標の時給を5,000円と決めて、その分を値段に乗せるようにしています。

自分の時給なんて入れてる人いるの?

うちは5,000円。正直まだ届いてないけど(笑)、意識するだけで値段が変わるよ。

届かなくてもいいんです。

自分の時間にも値段がある、と意識するだけで、つけられる値段が変わります。

タダ働きを前提にした値段は、いつか必ず自分を追い込みます。

💡ハンドメイド作家さんへ:作業は、作っている時間だけではありません。

梱包する時間や発送の準備も作業なので、時給に入れて考えてください。

🧮実質時給の出し方
  • ① 売値 − もと手 − 販売手数料 = 残り
  • ② 残り ÷ 1個にかかる作業時間(時間)= いまの実質時給

売値600円・もと手180円・手数料60円なら、残りは360円です。

1個15分(0.25時間)なら、360÷0.25=時給1,440円になります。

上の計算表の最初の数字と同じ、計算の例です(実際に稼いだ額ではありません)。

目標の時給に届かなければ、もと手を下げる・作業を短くする・値段を上げる、のどれかのサインです。

上の計算表を使えば、この計算もその場でできます。

▼【例】3つの軸の重ね方をひとつ通してみる

言葉だけだとイメージしにくいので、ひとつ例で通してみます。

手作りの商品を売るとします。

  • STEP1:相場で仮に決める:売れている作家さんを5人ほど調べたら500〜700円。まずは600円にする
  • STEP2:原価が3割か確かめる:もと手が600円の3割(180円)に収まっているか。超えていたら、仕様か値段を見直す
  • STEP3:時給が乗るか確かめる:作る時間×自分の時給の分が残っているか。足りなければ、もと手・作業時間・値段のどれかを見直す

この3つが重なったところが、「これでいい」と言える値段です。

うちの棒付きマカロンも、この考え方で、通常の味は店頭の1本600円にしています。

でも正直に言うと、3つの軸はいつもきれいに重なるわけではありません。

1種類を仕込むのに、生地を作って・乾かして・焼いて・サンドして・仕上げて・袋詰めで、丸1日(約8時間)かかります。

できるのは、大きいサイズ10本と小さいサイズ12本、合わせて22本ほどです。

8時間分の時給(5,000円×8=40,000円)を22本で割ると、1本あたり約1,800円の手間がかかっている計算です。

でも売値は600円です。

時給を丸ごと乗せたら、誰も買えない値段になってしまいます。

だから現実は、優先順位をつけます。

  • まず原価3割は守る
  • 次に、相場(人気店の値段)を大きく超えない
  • そのうえで、時給は届く範囲で乗せる

時給5,000円は、いつか届きたい目標です。

そこに近づくために、入口は薄く・こだわりは厚くして、お店全体の利益を底上げしています。

▼値上げの実例|それでも毎回こわい。でも上げてきました

3つの軸で値段を決めても、値上げはやっぱり毎回こわいです。

でも、ここ数年は材料費がどんどん上がっています。

バター、アーモンド、砂糖……作り手なら、痛いほどわかりますよね。

いろはのおとのマカロンポー(6フレーバー詰め合わせ)
▲6フレーバーのマカロンポー

うちの値上げの実例です。

  • 棒付きマカロン(店頭の1本・通常の味):550円 → 600円(2023年5月ごろ)
  • 棒付きマカロン4本セット(通販):2,280円 → 2,480円(2024年春ごろ)
  • マカロンポー(6フレーバー30個入):700円 → 750円(2025年10月)
  • ミニマカロンポー:300円 → 400円(2025年10月)
  • オーダーケーキも、2026年4月に価格を見直しました(→ オーダーケーキの価格ガイド)

前もってお知らせしたのは、マカロンポーのときだけです。

ほかの商品は、お知らせせずに値段を変えました。

いちばん気になる「値上げのあと、どうなったか?」も正直に書きます。

一部のお客さんは離れました。

でも、多くのお客さんが変わらず支えてくれました。

安いまま続けてお店が立ち行かなくなるほうが、お客さんにとってもずっと悲しいことです。

値上げしたら、ネットに古い値段が残っていないか確かめる

値上げで、うちが見落としていたことがあります。

2026年8月、Googleの検索結果の商品の欄に、2,280円という値上げ前の値段が出ているのを見つけました。

4本セットを2,480円にしてから、2年以上たっていました。

お店の管理画面には、どこにも古い値段は残っていませんでした。

Google側に、昔の商品の情報が残っていたようです。

お客さんが2,280円のつもりでお店のページを開くと、2,480円を見てがっかりしてしまいます。

ネットで売っている人は、値上げのあとに、自分の商品名で一度検索してみてください。

▼いちばんダメなのは「お店が続かなくなること」

値段で迷ったとき、うちがいつも立ち返る言葉があります。

それは、「いちばんダメなのは、お店が続かなくなること」です。

安くして喜んでもらえても、利益が残らずにお店をたためば、もう二度とその商品を届けられません。

値上げは、応援してくれるお客さんのためでもあると思っています。

お店が続けば、新しい商品を作れますし、味も品質も守れます。

無理な安売りをせずに、笑顔でお店に立てます。

だから値上げは、わがままではありません。

これからも作り続けるための、まじめな選択です。

値付けに、ずっと続く正解はありません。

材料費やお客さんの変化で、正解は変わっていきます。

だから、定期的に見直していいんです。

値上げはやっぱり気がひけるよね…

気持ちはわかる。でも、続けられること自体がいちばんのお客さん孝行だと思ってるよ。

▼今日からできる、値段の見直し手順

やることは3つです。

  • 売れている店を5つ調べる:同じジャンルで人気のお店・作家さんの値段をメモして、だいたいのラインをつかむ
  • 原価がならして3割に収まるか見る:材料費と包装を足して、売値の3割くらいか確かめる
  • 自分の時給を乗せる:計算表に入れて、いまの実質時給が目標に届くか確かめる

時給5,000円は、うちの目標です。

最初は1,500〜2,000円でも、時給が乗っている状態を作れれば十分です。

これだけで、なんとなく決めていた値段が、「これでいい」と言える値段に変わります。

ネットで売る場所の選び方は、BASEとSTORESの比較記事にまとめています。

値段が決まったら、払い方(現金・カード・QR)も決めておくと、お客さんが買いやすくなります。うちの選び方は、お菓子屋を開いたら、カード決済とレジはどうする?4年の実例にまとめています。

▼よくある質問(ハンドメイドの値段の付け方)

Q1. ハンドメイド作品の原価率はどれくらいが目安ですか?

A. 決まりはありません。

うちは「お店の商品ぜんぶをならして原価率3割」を目安にしています。

帳簿で材料の仕入れだけを見ると、2025年は売上の18.8%でした(包装は入っていません)。

材料費の割合は作るものによって大きく違うので、1個ずつではなく、お店全体でならして考えるのがおすすめです。

Q2. 材料費のほかに、何を原価に入れればいいですか?

A. 包装・ラッピングも入れます。

送料込みで売るなら、1個あたりの送料も入れます。

販売手数料は原価に入れず、計算表の手数料の欄で別に引きます。

とくに自分の作業時間を入れ忘れる人が多いので、時給として別に乗せて考えると、安すぎる値段を防げます。

Q3. 最初は安く始めて、あとから値上げしてもいいですか?

A. はい、大丈夫です。

相場の真ん中〜やや上から始めて、リピートや評判がついてきたら一段ずつ上げていきます。

うちも開業してから何度か値上げしてきました。

Q4. 値段を上げると、お客さんは離れませんか?

A. 正直、一部の方は離れます。

でも、値段に見合う中身を用意していれば、多くのお客さんは変わらず支えてくれます。

うちは、安すぎてお店が続かなくなるほうが、ずっと大きなリスクだと考えています。

Q5. 自分の作業時間は、どう値段に反映すればいいですか?

A. 「自分の時給」を決めて、その分を乗せます。

うちの目標は時給5,000円で、まだ届いていません。

届かなくても、自分の時間にもお金がかかっていると意識するだけで、つけられる値段が変わります。

Q6. 値段が決まったら、どこで売るのがいいですか?

A. ネット販売なら、まずは月額0円で始められるサービスから試すのがおすすめです。

わたしはShopify公式サイトを使っていますが、月額がかかるので、初めてならSTORESやBASEから始めると負担が少なく済みます。

選び方は「BASE・STORES比較」の記事にまとめています。

Q7. 「原価の3倍」で値段をつけるのは正しいですか?

A. 原価率3割は原価の約3.3倍なので、うちの目安とほぼ同じ考え方です。

ただ、作るのに時間がかかる作品は、3倍でも時給が残らないことがあります。

計算表で、実質の時給も一緒に確かめてください。

Q8. ハンドメイドの原価計算に使えるアプリはありますか?

A. この記事の計算表は、材料費・手数料・作業時間を入れると、その場で値段と時給を出せます。

登録もインストールも要りません。

作品が増えてきたら、表計算ソフトに同じ項目を並べて管理すると、値上げのときに見直しやすくなります。

▼まとめ|値段が怖いあなたへ、3つの軸とひとつの勇気

最後に、この記事の要点をまとめます。

値段の付け方3つの軸(原価はならして3割・相場は売れてる店をベース・自分の時給5,000円を乗せる)と「いちばんダメなのは、お店が続かなくなること」をまとめた図解
📌この記事のまとめ
  • 値段は「原価・相場・自分の時給」の3つで決める
  • 原価は1個ずつではなく、お店全体でならして3割
  • うちの材料の仕入れは売上の約2割(包装も手間も入っていない)
  • 相場は、自分と同じくらいの規模で売れているお店をもとにする
  • 時給は届く範囲で乗せる(うちの目標は5,000円)
  • 売る場所の手数料まで入れて、手元に残る額を出す
  • 値上げのあとは、ネットに古い値段が残っていないか確かめる

値段をつけるのが怖いのは、あなたの商品に価値がないからではありません。

決める基準を、まだ持っていないだけです。

あなたの手間と時間は、ちゃんとお金に換えていいんです。

計算表に入れたら、わたしの時給も出せそう!

まずは今の値段で、実質の時給がいくらか見てみてくださいね。

値段の見直しも、開業の流れの中では8番目のSTEP「続ける」で扱ったことのひとつです。→ お菓子屋を開くまでの流れ|許可からレジ・商標まで全部まとめ

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いろはさん
お菓子屋を開く人と、開いたあとの人へ。兵庫県でマカロン専門店「いろはのおと」(https://iroha-no-oto.com/)を妻と2人で営む、個人事業主5年目の店主です。元メーカー勤務の非エンジニア。菓子の製造は妻(パティシエ)、私はEC・SNS・会計・事務まで裏方をひととおり担当しながら、AI(Claude Code)・個人事業主のお金・店舗運営のリアルを“エアプなし”で正直に発信しています。(FP2級・簿記2級/中小企業診断士は勉強中) 📣 記事の更新はXでお知らせしています → @irohanote168 をフォロー