📋この記事からわかること
  • ✅AIに”お店の口調”を覚えさせるコツ
  • ✅1ヶ月運用のリアルな数字(誤送信・コスト)
  • ✅AIの返信を”育てる”手順
  • ✅「勝手に返信される」不安が消える仕組み
  • ✅Claude Code Pro $22で元が取れるか

前回(実装編)で、店の公式LINEに来たお客さまへの「返信の下書き」をAIが作ってくれるアプリを、Claude Codeと一緒に2日で作りました。

でも——アプリは「作って終わり」じゃありません。
本当に大事なのは、作ったあとですね。

兵庫県明石市で夫婦で棒付きマカロン店を営む私が、このアプリを妻と2人で1ヶ月運用してわかったことを、きれいごと抜きで正直にまとめます。

🍭まず、この記事の結論

誤送信は1件もゼロ。AIは私の”接客の口調”までちゃんと覚えてくれて、Claude Code Pro(月$22)の元もしっかり取れました。ただし——一発でうまくいったわけではなく、AIへの指示書(プロンプト)を15回”育てた”その過程が、いちばんの学びでした。

※この記事は連載の【運用編】です。アプリの作り方・コード・つまずき実装編にまとめています。本記事は”作ったあと”の話です。

前回でアプリ作ったのすごかったけど…ちゃんと使えてる?

それがね1ヶ月使って、誤送信0件だったよ!ちゃんと”戦力”になってるよ。

こんな人に向いています

  • LINEやSNSの問い合わせ対応に時間を取られている個人店・小規模店
  • AIを”接客の相棒”にしたい人

こんな人には向いていません

  • お客さまへ”完全に自動で”返信させたい人(この記事は逆で、人が必ず確認する設計です)
🔰やさしい用語解説
  • プロンプト:AIへの”指示書”。「うちの口調・商品・ルール」を書いておくと、その通りに返信案を作ってくれます。
  • 下書き自動化:AIが返信”案”を作るところまでが自動。送るのは人間です(だから誤送信しません)。
  • Skill(スキル):第1弾で作った”お返事のレシピ”。今回のアプリはこの資産を流用しています。
  • API:外部のAI(ここではClaude)を、自分のアプリから呼び出して使う仕組みのこと。
  • デプロイ:作ったアプリを更新して、本番で使える状態に公開すること。
  • Cloudflare(D1・Workers):アプリを動かす土台。Workers=処理を動かす場所、D1=データを保存する場所。個人なら無料枠で足ります。

▼前回までのおさらい(30秒で)

この記事は、「LINEの返信をAIに手伝ってもらう仕組み」を、ひとりで作って少しずつ育てた記録です。むずかしいIT用語は抜きで、何をどう進めたかを順番にまとめています。

  • 第1弾:私ひとり用の「お返事Skill」(返信の下書きを30秒で作るレシピ)
  • 準備編実装編:それを”店全体・夫婦2人で使えるWebアプリ”に進化(Cloudflare+Claude)

作り方・コード・つまずきは実装編に全部書いたので、本記事ではくり返しません。ここからは「作ったあと、妻と2人で1ヶ月使ってどうだったか」です。

▼1ヶ月(実質21日)運用してわかった”数字”

夫婦で1ヶ月運用してわかった数字(誤送信0件・プロンプト15回改善・運用21日・月数百円・夫婦2人)

きれいごと抜きのリアルな数字です(2026年5月8日〜5月29日・21日間)。

項目数字
お客さまへの誤送信0件
プロンプトの改善回数15回
デプロイ(更新)回数約13回
運用する人夫婦2人(私と妻)
月のコスト数百円(Claude API)+0円(Cloudflareは無料枠)

いちばん大事なのは誤送信0件。お客さま相手なので、ここは絶対に外せませんでした(理由はこのあとの「設計」の章で)。

▼AIに”いろはの口調”を仕込めた話

正直、いちばん感動したのはここです。第1弾で作ったお返事Skillの”指示書”を、そのままアプリのAIに渡しただけで——

朝のあいさつ・絵文字2〜3個・押しつけない締めまで、普段の私の接客トーンを再現してくれました。

実際の管理画面。お客さまの質問に対しAIが返信案A・B・Cを
▲実際の管理画面。AIが返信案A・B・Cを”いろは口調”で生成(お客さま情報は伏せています)。※この案の「賞味期限は2週間」表現は、のちに”商品ごとに違うので確認します”へ改善しました(→「15回育てた軌跡」参照)。

一度”自分の言葉”をためておくと、それがそのまま、ずっと使える”財産”になる——非エンジニアでも実感できる、AIのすごさでした。

え、AIって”お店の口調”まで覚えてくれるんだ!

うん。最初に「うちはこう話す」を実例で教えておくと、それっぽく返してくれるよ!

▼ここが本番|プロンプトを”15回育てた”軌跡

AIへの指示書(プロンプト)を15回育てた軌跡。賞味期限の断定をやめる・素人表現の翻訳表追加・連続会話で挨拶省略などのBefore→After

ただし一発でうまくいったわけではありません。運用の本番は「作ったあと」。お客さまとの実際のやり取りを見ながら、15回プロンプトを直しました。正直な実例を👇

  • 賞味期限を「約2週間」と断定してしまった→商品ごとに違うと判明→「曖昧なものは断定しない」NGリストを追加
  • 「マカロンの皮?外側」みたいな“素人表現”が通じない→お客さま言葉と商品名をつなぐ”翻訳表”を追加
  • 連続のやり取りで毎回「おはようございます」→会話が続いている時は挨拶を省くルールに
  • リピーターさんには少しラフに(毎回かしこまりすぎない)
  • 「確保で〜」みたいな馴れ馴れしさが出た→トーンを抑えるルールを追加
  • お名前を勝手に分解してしまう→固有名は崩さないルール

やっていることは「AIに、うちの接客を教える”新人教育”」そのもの。1回で完璧なんて無理で、お客さまの声を見て少しずつ直す——この地道さがいちばんの学びでした。

15回も直すの大変だったよね?

1回30分くらいだから、気づいた時にちょこっとね。新人さんに「こういう時はこう言ってね」って教えるのと同じだよ。指示するほど”うちの子”になってきたよ。

▼誤送信0を支えた、たった1つの設計

仕組み図:お客さまのLINE→AIが返信の下書きを作成→人(夫婦)が確認・修正→送信。送るのは人だから誤送信0件

ここが”安心の核”です。AIが作るのは、あくまで”下書き”。お客さまへの送信は、必ず私か妻のまどが確認・修正してから手で送る。だから誤送信が起きようがありません。

「AIがお客さまに勝手に返信する」のは、正直まだ怖い。
でも“下書きまで”なら安心して任せられる。この線引きが、個人店がAIを導入できるかの分かれ目だと思います。

「お客さまに”AIっぽい返信”だと分かって嫌がられないかな?」という心配もよく聞きます。でも、最後は必ず人が読んで整えてから送るので、機械的な”AIっぽさ”は出ません。あくまで“下書きを手伝ってもらうだけ”だからです。

管理画面で返信案Bを選択中の様子。AIの下書きから人が選び、編集してから送信するため誤送信が起きない
▲「B案を選択中」。AIは下書きまで、選んで送るのは人。だから誤送信0件(お客さま情報は伏せています)

私、毎日この画面で下書きを選んで送ってるけど…
AIが変なこと書いてないか毎回ちょっとドキドキするよね。

そこは”送るのは人”にしてるから大丈夫!AIは下書きまで、最後はまどの目が必ず入るでしょ。だから1ヶ月で誤送信ゼロなの。

たしかに!私みたいにIT苦手でも、選んで送るだけだもんね。

▼1ヶ月運用してわかった”気づき”5つ

  • 一度ためた”自分の言葉”(返信のクセ)は、別の仕組みに移してもそのまま使い回せる
  • Cloudflare(D1・Workers)が無料枠で動く手軽さ(個人店でもコストほぼゼロ)
  • “下書き自動化”の心理的な安心(完全自動より、まず下書きから)
  • もともと使っていたLINEの配信ツール(エルメ=L Message)とぶつからず両立できた(メニューのボタンなども消えませんでした)
  • このプロンプト集が”新人教育マニュアル”にもなる(人にもAIにも同じ”うちのルール”を渡せる)

▼Claude Code Pro $22は、元が取れた?

結論:取れました。LINEの返信1件にこれまで5〜10分かかっていたのが、下書きがある状態だと30秒〜1分。1日に何件もあるので、1ヶ月でかなりの時間が浮きました。月$22(約3,300円)は、浮いた時間で軽く回収できる感覚です。

※正確に言うと、毎日の返信を速くしているのはアプリ本体(Claude APIで月数百円)です。Claude Code Proは、そのアプリを作って改善し続けるための開発ツール。つまり「Proで仕組みを作る→その仕組みが毎日の時間を生む」という関係です。

🪙お金の全体像(早見)
  • 作る・改善する(開発):Claude Code Pro 月$22(約3,300円)
  • 毎日動かす(稼働):Claude API 月数百円 + Cloudflare 0円(無料枠)

月$22かぁ…元取れるか、最初は不安だったんだよね。

返信が5分→30秒になるからね。時間がいちばん高いから、私はすぐ取れたよ。

▼よくある質問

お客さまに、AIが勝手に返信してしまうことはありませんか?

ありません。AIが作るのは”返信の下書き”までで、お客さまへ送信するのは必ず人間(私か妻)が確認・修正してからです。この設計のおかげで、1ヶ月の運用で誤送信は0件でした。

運用にいくらかかりますか?

Claude APIが月に数百円程度、Cloudflareは無料枠で0円です。別途、開発に使うClaude Code Proが月$22(すでに契約していれば追加費用はありません)。※料金は変わることがあるので、最新はClaude公式の料金ページでご確認ください(公式表示は定価$20、日本では消費税込みで約$22です)。

非エンジニアでも、運用を続けられますか?

はい。日々の運用は「AIの返信がイマイチだった時に、指示書(プロンプト)を少し直す」だけ。コードを書き換える必要はほとんどありません。IT苦手な妻も、”下書きを選んで送る”操作で問題なく回せています。

AIに自分のお店の口調を覚えさせるには?

“実際の良い返信例”をいくつか指示書に書いておくのが近道です。最初に自分の言葉をためておくほど、AIがそのトーンを再現してくれます。

▼まとめ

運用編まとめ図解:作って終わりでなく育てるのが本番・誤送信0件・AIが口調を再現・送信は人が確認・IT苦手な妻でも運用できた
  • アプリは”作って終わり”じゃない。運用しながら育てるのが本番
  • 1ヶ月で誤送信0件・プロンプト15回改善・コスト月数百円
  • AIは「口調」まで覚えてくれた
  • 安心の核=お客さまへの送信は必ず人が確認(下書き自動化)
  • IT苦手な妻でも”選んで送る”だけで運用できた=非エンジニアでも続く
  • Claude Code Pro $22は、浮いた時間で元が取れた
🍀今日の一歩

もしLINE対応に追われているなら、まず「よく来る質問」と「自分の理想の返信」を3つだけメモしてみてください。それが、AIに渡す”最初の指示書”になります。アプリを作らなくても、その3つを手元のAI(ChatGPTやClaudeなど)に渡して「この口調で返信案を作って」と頼むだけでも、毎日の対応はぐっとラクになります。

▼次回予告(第4弾):次はInstagramのDM対応にも広げられるか——着手するか含めて検討中です。

🛠️「作ってみたい」と思った人へ(はじめての順番)

Claude Codeがあれば、コードが書けない私(非エンジニア)でも作れました。「自分には無理かも」と思っても、まずは負担の少ない第1弾のSkillから試すのがおすすめです。

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ABOUT ME
いろはさん
兵庫県で マカロン専門店「いろはのおと」 (https://iroha-no-oto.com/)を経営しながら、 ひとりで事業を回すための IT・業務改善・数字まわりを日々試行錯誤している個人事業主です。 個人事業主として4年目です。 製造・販売だけでなく、 ECサイト運営、SNS運用、会計、事務作業まで、 開業当初からほとんどを自分で行っています。