お菓子の商品写真はスマホで十分?一眼も持ってる店主が4年撮ってきた答え
「商品写真のために、一眼レフを買わないとだめ?」
「スマホで撮ってるけど、なんだか美味しそうに見えない」
「そもそも、何から直せばいいのか分からない」
お菓子やハンドメイド品を売っていると、写真の悩みは尽きないですよね。
こんにちは。兵庫県明石市で、夫婦で棒付きマカロン専門店を営んでいるいろはです。
うちは妻がお菓子を作り、私が「売る側」を全部やっています。
先に結論を言うと、売り場に並べる写真の大半は、スマホで足ります。
うちにはiPhoneと一眼カメラ(Canon EOS M6 Mark II)の両方があって、同じマカロンを両方で撮り比べていますが、ブログやInstagramの表示サイズで並べると、どっちで撮ったか私でも迷うことがあります。
ただし「スマホなら何もしなくていい」ではありません。
写真を決めるのはカメラではなく、光と背景。
うちの開業当初の写真は、iPhoneでも一眼でもなく「そこ」を外していたから残念だったのです。
この記事は、作業場の記録写真レベルだった2022年から、プロに教わり、道具を揃え、いまの商品写真にたどり着くまでの4年の全記録です。
実際の写真(へたな頃のものも)と、使っている道具の実物、ぜんぶ出しています。
読み終わる頃には、今夜、家にあるスマホで1枚撮り直したくなっているはずです。
わたしが作ったお菓子、開業のころは写真で損してたと思う…(笑)
色々と反省はあるよね。
何が正解かわからないまま撮ってたから、今日はその反省会です。
- スマホと一眼の実物比較が見られるから、買う前に判断できる
- 写真が変わる順番がわかるから、迷わず直せる
- 100均で足りる道具がわかるから、ムダ買いしなくてすむ
- 夜しか撮れない日の対処がわかるから、あきらめなくてすむ
- 編集の実際の数値が見られるから、仕上げの感覚がつかめる
▼結論|スマホで十分。ただし「光」だけは、カメラが解決してくれない
いきなり結論の一覧です。
| 悩み | うちの4年の答え |
|---|---|
| 一眼を買うべき? | 急がなくていい。うちは両方使うが、大半はiPhoneで完結 |
| 何から直す? | カメラでなく光→背景→構図の順 |
| 道具にいくらかかる? | ライトと三脚で1万円前後。あとは100均でいい |
| 夜しか撮れない | ライトがあれば撮れる(うちも自然光が使えない時はそう) |
| センスがない | センスの前に「型」。型はこの記事の中身です |
え、一眼持ってるのに「買わなくていい」って言っちゃうの?
持ってるからこそ言えますね。
この後、実物の写真で証拠を見せます。
▼【実物】同じマカロンをiPhoneと一眼で撮り比べた
2026年5月、6月の新作マカロンをiPhone 17と一眼(EOS M6 Mark II)の両方で、同じ日に撮りました。
(うちのは正確にはミラーレス一眼ですが、この記事では「一眼」と呼びます)
まず2枚、続けて見てください。


どっちがスマホか、わかりますか?
正解は——1枚目がiPhone、2枚目が一眼です。
正直に言うと、撮った本人の私でも、時間が経つと迷います。
4年撮ってきた実感として、違いが出るのはこの2つだけです。
| iPhone | 一眼(M6 Mark II) | |
|---|---|---|
| 1枚単体の見た目 | ほぼ差なし | ほぼ差なし |
| 色の傾向 | 明るく元気(やや強め) | 落ち着いて均一 |
| 得意なこと | 寄り・斜め・縦構図・機動力 | 何十枚も撮って色がそろう |
| 向いている用途 | Instagram・ストーリー | 商品ページのシリーズ写真 |
じゃあ何が写真を決めてるの?
次の章がこの記事の本体。
うちの一番はずかしい写真を出します。
▼2022年の写真を公開します|変わったのはカメラじゃなかった

テーブルの上、作業場の天井照明、演出ゼロ。
記録写真であって、商品写真ではありません。
当時使っていたカメラは、妻のXperiaと私のiPhone 13 mini。
いま思えば、カメラは何も悪くありませんでした。
さっきの2枚と同じ店の写真です。
この4年で変わったのは、順番にこの4つでした。
- 光——作業場の蛍光灯をやめて、窓からの自然光で撮るようになった
- 背景——雑多な作業台をやめて、背景の板とお皿を使うようになった
- 構図——「全部写す」をやめて、主役を1つ決めるようになった
- 編集——撮ったあとにLightroomで明るさと色を整えるようになった
カメラの進化(iPhone 13 mini→17、一眼の追加)は、この4つのあとの話です。
だから「一眼を買えば写真が良くなる」は、順番が逆なのです。
うちの写真が変わったきっかけは、2025年の冬に商品撮影の講座を受けたことです。それまでの3年は我流。「光を先に考える」というたった1つの原則を教わってから、撮り方が根本から変わりました。この記事に書いているのは、その学びを自分の店の商品で実践してみた結果です。
たしかに、お皿と光が変わってから「お店の写真」っぽくなった!
でしょ。しかもここまで、新しい機材は1つも買ってないからね。
▼光がすべての土台|うちの撮り方は2パターンだけ
①基本は「窓ぎわの自然光」

うちの商品写真は、窓から光が入る場所で、天井の照明を消して撮っています。
理由は単純で、天井の照明と窓の光が混ざると、色が濁るからです。
ポイントは光の向き。真後ろから(逆光気味)〜横から光が来る位置に商品を置くと、お菓子の表面に立体感が出ます。正面からの光は、のっぺりします。

撮影時間は、だいたい15時〜17時。仕込みが落ち着く時間帯であることに加えて、午後の光は朝より少しやわらかく、窓ぎわのお菓子にちょうどいい影を作ってくれます。
②自然光が使えない時は、リングライト
営業や仕込みの都合で、自然光の時間に撮れない日もあります。
そういう日のために、うちはリングライトを1つ置いています。
Latunaのリングライト(10インチ・三脚つき)。選んだ理由は3つです。
- 三脚とスマホホルダーがセットで、買ってすぐ完結する
- 色が3モード(暖色・白色・中間)あって、お菓子の色に合わせられる
- USB給電で、コンセントの位置に縛られない
前は黄色っぽくなってたもんね
天井の蛍光灯と混ざってたのが原因でした。
消すだけでだいぶ変わりますね。
▼100均で足りた物・足りなかった物
道具の話を正直にします。うちの撮影道具のうち、100均のものは今もこれです。
| 道具 | うちの実物 | 判定 |
|---|---|---|
| 背景の紙・板 | 100均のリメイクシート・画用紙 | ⭕十分 |
| スマホホルダー | 100均 | ⭕十分 |
| 小物(お皿・布) | ナチュラルキッチンで数百円 | ⭕十分 |
| レフ板がわり | 白い厚紙(100均) | ⭕十分 |
| ライト | 100均にも小型LEDはあるが… | ❌ここはケチらない方がいい |
| 三脚 | 100均の卓上タイプは | ❌一眼やズームを載せるなら無理 |
背景と小物は、100均とナチュラルキッチンでほぼ完結します。
写真の背景に写る面積は小さいので、高い背景紙との差はまず分かりません。
白い厚紙は「レフ板」(光をはね返す板)の代わりです。
窓と反対側に立てて、影になった面に光を返す——これだけで、暗い側がふっと明るくなります。
逆にライトは、100均の小型LEDだと光量が足りず、結局スマホの感度が上がってザラザラの写真になります。
「安い物で揃える所」と「1つだけちゃんと買う所」を分けるのが、いちばんお金がかからない——これが4年の結論です。
三脚は、スマホだけなら100均の卓上タイプでもいけますが、うちは一眼も載せるのでK&F CONCEPTの160cm(耐荷重8kg)を使っています。
真上からの俯瞰を撮る日は、これがないと始まりません。
▼スタイリングは「シンプル+味の連想」だけ
小物の使い方で、うちが気をつけているのは、たった2つです。
- シンプルにする——装飾品でごちゃごちゃさせない。小物を足すほど豪華になる気がしますが、実際は主役のお菓子が埋もれます。背景に入れるのは、お皿と、あと1〜2点まで
- 「味や世界観が連想できる物」を置く——飾りではなく、そのお菓子の素材や、モチーフの実物を隣に置きます。見た人が味やコンセプトを想像できる写真は、それだけで説明文の代わりになります

この写真なら、「カメラがモチーフのマカロンです」と一文字も書かずに伝わりますよね。
ギフトのお菓子ほど、この「連想」の効果があります。
贈る人は「もらった人がどう感じるか」を想像しながら選ぶからです。
▼iPhoneの設定は3つだけ変えている
カメラアプリの設定で、うちが変えているのは3つです。(設定→カメラ)
- グリッドをON——画面に十字の線が出る。水平と中央がひと目で分かる
- アスペクト比はスクエア——Instagramと商品ページの両方で使いやすい
- 「設定を保持」をON——毎回リセットされて撮り直す事故がなくなる
あとは撮るときに、ズームを1×〜2×にすること。
0.5×(超広角)は広く写って便利に見えますが、お菓子の形が歪みます。丸いマカロンは丸く写ってこそです。
設定そんなに少なくていいの?
少なくても大丈夫ですね。
設定より、光と背景に時間を使うのが正解です。
▼撮ったあと|Lightroomの実際の数値を1枚ぶん公開します
うちは撮ったあと、Adobe Lightroom Classic(パソコン版)で編集しています。
「編集って何をどれくらい動かすの?」が一番イメージしにくいと思うので、実際の1枚の値をそのまま出します。

| 項目 | この写真の値 | 何をしたか |
|---|---|---|
| 色温度 | +17 | 少し暖かく。お菓子は寒色に転ぶと美味しく見えない |
| コントラスト | −27 | 影を強くしすぎない。やわらかい印象に |
| ハイライト | −35 | 白いクリームの飛びを抑える |
| シャドウ | +30 | 暗い部分を持ち上げて、細部を見せる |
| 白レベル/黒レベル | +22/−24 | 白は白く、黒は締める |
| 明瞭度 | +28 | マカロン表面のざらっとした質感を出す |
| かすみの除去 | −36 | 逆に減らす。ふわっとした空気感を作る |
| 自然な彩度 | +30 | 色をきれいに。「彩度」ではなくこちらを主に動かす |
※この値はこの1枚の答えであって、コピペする数字ではありません。写真の光が変われば全部変わります。ただ「どの項目を、どっち方向に動かすか」の傾向は、うちはだいたいこの形です。
1つだけ強く言えるのは、「編集で助かる写真」と「編集でも助からない写真」があることです。
光と背景が決まっていれば編集は仕上げの一手間ですみ、決まっていなければ何十分いじっても戻ってきません。編集は魔法ではなく、仕上げです。
Adobeの写真編集アプリ。スマホ版は無料で始められて、この表の項目はほぼ全部スマホ版にもあります。うちはパソコン版(Classic)を使っていますが、最初はスマホ版で十分です。
▼で、一眼はいつ買うのか|うちがM6 Mark IIを使う場面

ここまで「スマホで十分」と書いてきて、うちには一眼があります。
使うのは、はっきり決まった場面だけです。
- 新作の商品ページ用に、何十枚もまとめて撮る日
→一眼は全カットの色がそろうので、あとでページに並べたとき統一感が出る - 広角レンズで、売り場やディスプレイ全体を撮る日
逆に、Instagramの日常投稿・ストーリー・寄りのカットは、ほぼiPhoneです。
軽くて、すぐ撮れて、その場で確認できます。
だから「一眼を買うタイミング」を聞かれたら、こう答えます。
商品数が増えて、シリーズ写真の統一感が売上に関わると感じたとき。
それまではスマホと光にお金と時間を使う方が、確実に写真が良くなります。
結局、両方使ってるうちが言うと説得力あるね
「一眼を買ったのに写真が変わらない」が一番もったいないですね。
▼よくある質問(FAQ)
Q1. スマホだけで、本当に売り物の写真になりますか?
なります。うちはiPhoneと一眼を併用していますが、ブログやInstagramの表示サイズで1枚だけ見て区別するのは、撮った本人でも難しいレベルです。差が出るのはカメラより、光と背景です。
Q2. iPhoneじゃなくAndroidでもいいですか?
大丈夫です。うちも開業当初は妻のXperiaで撮っていました。この記事の内容(光・背景・構図・設定)はどの機種でも同じで、カメラアプリにグリッド表示があれば十分です。
Q3. 撮影できるのが夜しかありません
うちも自然光の時間に撮れない日はリングライトで撮っています。コツは部屋の照明を消してライトの光だけにすること。光が1方向になれば、夜でも昼の窓ぎわと同じ考え方で撮れます。
Q4. ライトはどれを買えばいいですか?
うちはLatunaの10インチリングライト(三脚・スマホホルダー付き)を使っています。色が3モード切り替えられて、お菓子の暖色に合わせられるのが決め手でした。プロ用の大型ライトは、まだ必要になっていません。
Q5. 100均で揃えられる物はなんですか?
背景のリメイクシートや画用紙、スマホホルダー、レフ板がわりの白い厚紙は100均で十分です。逆にライトと、一眼を使うなら三脚は、ちゃんとした物をおすすめします。
Q6. 一眼レフはいつ買うべきですか?
商品数が増えて「シリーズ全体の色をそろえたい」と感じたときで遅くありません。うちが一眼(EOS M6 Mark II)を使うのはその場面が中心で、日常の投稿はiPhoneです。
Q7. お菓子以外のハンドメイド作品でも同じですか?
同じです。光・背景・構図の考え方は、アクセサリーでも布小物でも変わりません。1つだけ、金属や樹脂など光る素材は窓やライトの映り込みが出やすいので、光を少し遠ざけるかレース越しにするとやわらぎます。
▼まとめ|カメラを変える前に、窓ぎわに1枚

- 売り場の写真の大半はスマホで足りる(一眼併用の店の実感)
- 写真を決めるのは光→背景→構図。カメラはその後
- 背景と小物は100均とナチュラルキッチンでほぼ完結
- ライトだけはケチらない。夜しか撮れなくても道はある
- スタイリングはシンプル+味の連想の2原則だけ
- 編集は仕上げの一手間。助からない写真は撮る前に決まっている
お店を始めた年、作業場の天井照明で撮っていた私に教えたいのは、機材のことではなくて、「その台の上じゃなくて、窓ぎわで撮って」の一言です。
カメラを買い替える前に、今夜、商品を1つ窓ぎわに置いてみてください。
明日の午後の光で1枚。それがこの記事のすべてです。
で、最初の1歩は?
商品を窓ぎわへ。照明を消す。スマホのグリッドをON。
お金は1円もかかりません!
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