創業計画書の書き方|店主4年が全部外れて学んだ記入例つき
- ✅創業計画書を書くべきかどうかの判断軸が手に入る
- ✅公庫の9項目テンプレを店主4年の記入例つきで読める
- ✅売上見通しで詰まる人の解決法がわかる
- ✅AIと相談しながら書く実プロンプト例が手に入る
- ✅「計画は外れる前提でいい」理由が4年実体験でわかる
- ✅事業計画書との違い・テンプレDL方法も整理して読める
「創業計画書、書こう書こうと思って、もう3ヶ月……」
「融資受けないし、書かなくていいよね?」
「公庫のテンプレを開いてみたけど、9項目もあって何書けばいいか分からない……」
これから個人事業を始めるあなた、たぶんこんな気持ちじゃないでしょうか。その気持ち痛いほどわかります。わたしもまったく同じ状態で、3ヶ月放置していました。
創業計画書の書き方がわかんない〜
創業計画書ってどうしても書く項目が多くてどうしても後回しになりますよね
今回はどうしても後回しになる「創業計画書」の書き方や書く理由をわかりやすく解説、整理していきたいと思います!
こんにちは、明石で棒付きマカロンのお店を夫婦で4年やっている、いろはです。簿記2級・FP2級を持っていて、開業前から中小企業診断士の試験にも4年・3,000時間(小声)取り組んでいます(資格はまだですが、経営の勉強は続けています)。詳しい背景は別記事で書いてます👇
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▼「書き方を調べては閉じ、記入例を探してはまた閉じ」——3ヶ月放置したわたしへ
創業計画書って、開業する前に書くんだっけ?
そうだね!ただわたしは開業のときは書いてませんでした!!!!!!!!!!!!!(笑)
後から、ある経営の先輩に「書かないなんておかしい」って言われて、慌てて書いたのが正直なところです。
結論からですが、創業計画書は「外れる前提」で書いていいです。事業を始める前に完璧に書ける人はいないし、わたし自身、4年経って読み返したら売上の規模感も、販路も、ターゲットも、売れる商品も、ほとんど全部外れていました(笑)。
それでも書いてよかった——その理由を、店主4年の本音でお話ししたいと思います。
実はわたしも、ある経営の先輩に「書かないなんておかしい」と言われて、ようやく重い腰を上げました。詳しいエピソードは第6章で。
この記事では、士業や金融機関、公庫公式が書けない「実際にやっている人のリアル」を、4年間の本音ごと正直にお話しします。「書こうと思って書いてない」あなたの背中を、そっと押せたらうれしいです。
「外れる前提」って、なんか身も蓋もないけど(笑)
そうなんです。でも4年やってみて初めて、その言葉の本当の意味がわかったんですよ。
▼そもそも創業計画書とは?1分で分かる全体像
まず素朴な疑問!
創業計画書って、誰が・何のために書く書類なの?
「事業を始める前に、自分の事業を1枚の紙に整理する書類」です。日本政策金融公庫がテンプレを無料配布していて、これから事業をする人が、A3用紙1枚に全体像をまとめるためのものです。
公庫テンプレは無料・A3用紙1枚
日本政策金融公庫(国の金融機関)が、無料で「創業計画書」のテンプレートを配っています。
- ダウンロード先:日本政策金融公庫 創業計画書PDF(直リンク・無料)/公式サイトで「創業計画書」検索でも取得可
- 形式:PDF・Excelの両方あり
- 枚数:A3用紙1枚
- 業種別の記入例(飲食・小売・サービスなど)も公式が用意

※公庫テンプレは時期により改訂されることがあります(本記事は2026年6月時点の様式・制度を元にしています)
難しそうな言葉が並んでる〜💦
私も最初はそうでした(笑)
一つひとつわかりやすく説明していきますね!
書く項目は全部で9つ(融資申込み時はプラス1で10項目)

- ①創業の動機(なぜこの事業を始めるか)
- ②経営者の略歴等(職歴・資格・関連経験)
- ③取扱商品・サービス(事業内容/商品/セールスポイント/販売ターゲット/競合)
- ④従業員(雇う人数・家族専従者含む)
- ⑤取引先・取引関係等(販売先・仕入先・外注先)
- ⑥関連企業(経営している会社があれば)
- ⑦お借入の状況(事業・生活含む借入)
- ⑧必要な資金と調達方法(設備資金/運転資金/自己資金/借入)
- ⑨事業の見通し(売上・原価・経費・利益・1年後)
融資を申し込む人は、9項目に加えてテンプレ末尾の自由記述欄(アピールポイント・希望するアドバイス等)も埋めます。
「融資を受けない人は書かなくていい」は本当か?
ここがこの記事の核心です。多くの人が「融資受けないなら書かなくていいでしょ」と思っています。わたし自身もそう思っていました。
でも、4年やってみて気付いたのは、むしろ融資を受けない人ほど書いた方がいいということ。理由は3つあります。
- ① 後回しグセを断ち切るスイッチになる(書くだけで本気度が上がる)
- ② 目的と手段が合っているかを確認できる(何のために始めるか/そのためにこの方法でいいか)
- ③ 後から「何が外れたか」が見える(修正の起点になる)
詳しくは、各章で実体験を交えて書いていきます。
事業計画書との違い(1分整理)
「創業計画書」と「事業計画書」の違いも、最初に整理しておきます。
| 項目 | 創業計画書 | 事業計画書 |
|---|---|---|
| 対象 | これから事業を始める人 | 既に事業をしている人 |
| 用途 | 開業時の整理/公庫の創業融資 | 新事業/追加融資/補助金申請 |
| ボリューム | A3用紙1枚(簡易版) | 複数ページ(詳細版) |
| テンプレ | 公庫が無料配布 | 各補助金や金融機関の様式 |
→ 事業初期は創業計画書で十分。事業計画書はそのあと必要になったら書けばOKです。
「目的と手段が合ってるか」って、書かないと分かんないものなの?
頭の中だけだと、何となく整っているように錯覚するんですよね。書き出すと「あれ?この動機なのに、なんでこの方法だっけ?」って急に違和感が出てきたり、言葉が詰まったりします。
▼【記入例つき】9項目の書き方|店主4年の実例で全部見せる
じゃあ実際にどう書くの?テンプレを開いてもどこから書けばいいか分からないんだけど〜!
わかります。私もそうでした。9項目を「私が当時こう書いた」実例つきで見せていきますね。重い項目(1・3・8・9)は深掘り・軽い項目(4・6・7)はまとめます。完璧でなくて大丈夫です。
書く前のひと工夫:「自分の頭を整理する練習問題」と思う
ちょっとだけ寄り道します。公庫の9項目を見ると「うっ、多い……」となるんですが、わたしは「自分のお店・お客さま・周りの似たお店」の3つに分けて考えると、急に書きやすくなりました。
公庫の項目3「事業内容+商品+セールスポイント+ターゲット+競合」も、結局はこの3つを順番に書いていくだけ。「型に当てはめて、自分の頭の中を紙に出す」——そう思えば、9項目は思ったより怖くないです。
項目1:創業の動機(書き方)
公庫の質問:「創業されるのは、どのような目的、動機からですか」
- 棒付きマカロンという独自性のある商品を、夫婦経営で地元密着で展開したい
- 人工着色料を使わない、子どもが安心して食べられるお菓子を作りたい
- 製造業で10年培った「ものづくり」のスキルを、自分のブランドで活かしたい
書いてみて気付いたこと:「なんとなくマカロン屋をやりたい」を、自分の言葉で説明できないと書けないんです。書き出そうとして手が止まったら、それは「動機がまだ言語化できていない」サイン。1日寝かせて、また書く。これを2〜3回繰り返すと、自分でも納得できる動機が出てきます。
項目2:経営者の略歴等(記入例)
公庫の質問:「勤務先名だけでなく、担当業務・役職・身につけた技能等も記載」
- 製造業10年(ものづくり・品質管理経験)
- 簿記2級(開業前に取得)
- FP3級・FP2級は開業後に取得(向上心として記載)
- 関連経験:中小企業診断士の勉強を継続中
ポイントは、「ものづくり」と「お菓子製造」を結びつけること。一見関係なさそうな職歴も、「段取り力・品質管理・コスト意識」のように、お菓子製造に活かせる視点で書きました。
→ 開業時点でまだ持っていない資格は「取得予定」として書くか、無理に書かなくてOKです。
項目3:取扱商品・サービス(書き方の核)
ここが一番、頭を使う項目です。5つの小項目に分かれます。
- 事業の内容:「棒付きマカロン専門店」
- 取扱商品・サービスの内容:定番マカロン・棒付きマカロン・焼き菓子・オーダーケーキ・絵付け体験
- セールスポイント:人工着色料不使用/棒付きという独自性/世界観(贈り物)
- 販売ターゲット・販売戦略:当時は「20〜30代のギフト需要層。SNS(Instagram)で発信→ECで購入する層。自分へのご褒美需要が中心」と書きました(4年経って実際は子育て世代の家族層が中心になった話は第7章で)
- 競合・市場状況:「地元密着の手作りマカロン店は少ない」
項目4〜7:シンプルな4項目はまとめて
ここは個人事業主なら10分で書ける項目です。一気に整理します。
- 項目4:従業員:「家族専従者1名(妻)」と書きました。常勤役員0人。
- 項目5:取引先・取引関係等:販売先「個人客中心」「卸先1〜数社(地元の小売店)」/仕入先「製菓材料の業務店2社」「包材の業者1社」/外注先「無し」/回収条件「当日現金回収」と書きました。
- 項目6:関連企業:「なし」と書きました。会社を別途経営していない限り空欄でOK。
- 項目7:お借入の状況:「事業・住宅・車・教育・カード・その他」、生活全般の借入を書きます。融資を受けない人は公式の必須項目ではありませんが、書いておくのがおすすめ——月の生活費から、生活と事業の現金フローを把握できるからです。わたしは特に借入なしと書きました。
項目8:必要な資金と調達方法(記入例)
- 設備資金:オーブン・ショーケース・什器・店舗内装などの初期投資
- 運転資金:仕入れ・家賃・水道光熱費・人件費(妻専従者)など3ヶ月分
調達方法は全額自己資金(融資を受けない方針)と書きました。ポイントは「設備資金+運転資金の合計」と「自己資金+借入等の合計」が同額になること。融資を受けない方は「自己資金=総額」でOKです。
項目9:事業の見通し(書き方)
最大の難関がここです(笑)。詳しくは第4章で正直に告白します。
書く欄は:
- 売上高(1ヶ月平均・創業当初/1年後または軌道に乗った後)
- 売上原価
- 経費(人件費・家賃・水道光熱費・その他)
- 利益
そして、その数字の「根拠(計算式)」を右の空欄に書きます(具体的な計算式は第4章でわたしの実例を見せます)。
見せてもらった印象、9項目って思ったより書く要素は多いんだね。
そうなんです。ただ、重い項目は1・3・8・9の4つだけ。残り5項目は10分で書ける。まず書いて、外れたら直す
——これが正しいのかもって4年経って分かりました。
▼【店主4年の正直告白】売上の見通しが、本当に分からなかった話
「事業の見通し」が一番難しいって言ってたよね?
そう、売上の見通し。これが本当に分からなかったんです。何を根拠に書けばいいか、最後まで分からないまま提出しました(笑)。
当時のわたし:単価×想定客数で、なんとなく書いた
「席数×単価×回転数」
——これは飲食店の式です。でもマカロン店は、店頭販売とネット販売が中心。何を根拠にすればいいか、ぶっちゃけ分かりませんでした。
当時のわたしが書いた式の粒度は、こんな感じです(具体額はぼかしますが、式の埋め方の参考に):
「定番マカロン1袋¥2,480 × 月100個(仮の想定数) = 月24.8万円」
「ネット注文 1件¥3,000 × 月50件(仮の想定数) = 月15万円」
「月合計 約40万円」
——こういう算式を1行ずつ書いていく感じです。全部希望的観測でした。「こうなったらいいな」を書いただけで、根拠と言える数字ではなかったんです。
「分からないまま書く」のは、悪いことじゃない
ここが大事です。売上の見通しなんて、新規事業の場合は本当に分かりません。同業他店のデータも、自分の事業の数字もない状態で、「正確に書く」のは不可能です。
じゃあ何のために書くか
——「自分が立てた仮説を、後で答え合わせするため」です。
- 店頭販売:客数 × 客単価 × 営業日=1ヶ月の店頭売上
- ネット販売:注文件数 × 平均客単価=1ヶ月のネット売上
- 卸販売:取引先数 × 1回あたり納品額 × 月の取引回数=1ヶ月の卸売上
- 3つを足したものが「月の売上見通し」
業種が違っても、考え方は同じ。「販売チャネルごとに数式を作って足す」が基本です。仮説がなければ、4年後に「何が外れたか」を振り返ることもできない。外れる前提で、それでも書く。これが正解です。
わたしの場合:開業初年度の見通しの甘さ
正直に言います。4年前のわたしが書いた売上見通しは、ぜんぜん届きませんでした(笑)。「軌道に乗った後は月◯万円」と書いた額に、4年経った今でも届いていません。
- ①「希望」と「予測」を区別する:希望はモチベ用、予測は外部データ+同業情報で
- ②当てに行かない:当てるためじゃなく外れた時の振り返り用として書く
- ③「外れたら直す」を前提にする:1年後・3年後に書き直す自分を想像して書く
そんな雑(笑)で大丈夫だったの?
雑でいいんですよ。本当に。完璧な売上見通しが書ける人なんていない。「書けない自分はダメ」ではなく、「書けない自分が普通」だと知ってください。
▼AIと相談しながら書いた実プロンプト+失敗談
AIで創業計画書って書けるの!?実際どんな感じで使ったの?
ChatGPTやClaudeに、自分の状況を渡して相談しながらも書きましたよ!全部AI任せにすると失敗します。下書きに使い、最終判断は自分——この使い分けが大事です。
わたしが使った3つのプロンプトパターン

- ① 動機の整理:「私の動機を、創業計画書の文体に整えてください」
- ② 売上見通しの算定:「私の業種・想定客数で、月の売上見通しを概算で出してください」
- ③ 弱点の辛口指摘:(コピペ可・下記)
③のコピペできるフルプロンプト
私はこれから創業計画書を書きます。
日本政策金融公庫の創業計画書テンプレ(9項目)を、次の情報を元に各項目300字程度で埋めてください。
必須6項目(最低限これだけ埋まれば動きます):
【業種】(例:菓子製造小売)
【経歴】(例:製造業10年→独立)
【取扱商品】(例:棒付きマカロン)
【自己資金】◯万円
【借入希望】(例:なし/公庫から◯万円)
【家族構成】(例:夫婦2人)
※下記5項目は分かれば書く・空欄でもOK:
【保有資格】【ターゲット】【販売チャネル】【セールスポイント】【事業形態】
—— 出力フォーマット ——
1. 創業の動機(300字)
2. 経営者の略歴等(300字)
3. 取扱商品・サービス(300字)
… 以下9項目すべて埋めてください。
→ このプロンプトでAIがドラフトを生成してくれます。その後、下の【B】レビュープロンプトで「弱点指摘」をかけると、より説得力のある計画書になります。
以下は私の創業計画書のドラフトです。
融資審査担当者の視点で、根拠が薄い箇所・突っ込まれそうな箇所を5つ、辛口で指摘してください。
【業種:◯◯(例:菓子製造小売)】
【自己資金:◯万円】
【借入希望額:◯万円(融資なしなら「なし」)】
【家族構成:◯名】
【ターゲット:◯◯】
——以下、ドラフトの該当部分を貼り付け——
(ここに自分が書いた各項目をコピペ)
このプロンプトをChatGPTやClaudeにそのまま投げると、意外と鋭い指摘が返ってきます。
「助かった」エピソード:文体を整える作業
特に①の「文体整え」は助かりました。自分の頭の中にある動機を箇条書きで渡すと、AIが創業計画書らしい文体に整えてくれる。これだけで30分以上の時間短縮になりました。
ただし——最終的に「自分の言葉」に直すのは必須です。AIの文体は綺麗ですが、自分らしくない。読み返したときに「これ自分が書いた文じゃない」と感じたら、書き直してください。
「AIに任せて失敗した」エピソード:質問の質が悪いと、回答も悪い
正直に言うと、わたしのAIへの最初の質問は質が低かったです。「創業計画書を書いてください」みたいな丸投げ。
これで返ってきたのは、当然ながら一般論の作文。「マカロン店」「夫婦経営」「地元密着」のようなわたし固有の文脈が抜けた、誰の創業計画書か分からない文章でした。
- 質問の質が悪いと、回答も悪い(自分の状況を具体的に渡す)
- 「業種・地域・想定顧客・自己資金額・家族構成」を最初にAIに伝える
- AIの回答は下書きとして扱う・判断と最終ジャッジは自分
わたしが得た結論:方向性と最終ジャッジは、自分でする
AIは超優秀な「下書き作成アシスタント」です。でも、何を選ぶか・何を捨てるかの判断は、AIにはできません。それは、事業をやる本人にしかわからない肌感覚だからです。
「AIに任せた方がラクだから」と全部任せると、他人の創業計画書になります。AIで下書き・自分で判断——この使い分けを覚えると、AIは強力な味方になります。
▼先輩経営者に見せたら、指摘もらえなかった話(誰に・どう見せるかも大事)
創業計画書を書き終えたら、誰かに見せた?
はい、ある先輩経営者に見せました。ある経営の先輩が「書いたら先輩経営者に見てもらえ」と発信していたのを思い出して。……でも、ほぼ指摘をもらえませんでした(笑)。
「いいね、頑張って」しか返ってこない問題
実は、「見せれば指摘がもらえる」とは限らないんです。わたしの場合、先輩は優しい人で「いいね、頑張って」みたいな励ましは返してくれましたが、具体的な改善指摘は出てこなかった。
正直、これはわたしの見せ方にも問題があったと思っています。
「誰に見せるか」「どう質問するか」が大事
ここが反省点であり、読者の皆さんに伝えたい教訓です。「ただ見せる」では足りない。誰に・どう質問するかで結果が全然変わります。
- ①何を見てほしいか具体的に伝える(例:「売上の見通しの根拠が弱くないか見てほしい」「価格設定がズレてないか見てほしい」)
- ②同業 or 近い業種の先輩を選ぶ(業種が違うと、的確な指摘はしにくい)
- ③辛口OKと先に宣言する(優しい人ほど忖度する。最初に「遠慮なくお願いします」と一言)
「誰に」見せるのも戦略的に
加えて——「経営支援する側だけ」じゃなく「実際に同じ業種でお店を回している先輩」に見てもらう方が、現場視点の指摘が出やすいです。
教科書的な指摘より、「この単価だと地元では売れないよ」「SNSはInstagramよりTikTokの方が伸びる客層だよ」のような現場感のあるアドバイスが、現役の事業主からは出てきます。
それでも「見せる」こと自体に意味がある
指摘がもらえなくても、「人に見せる前提で書く」だけで質は上がります。「自分しか読まない計画書」と「先輩に渡す計画書」では、書くときの集中力が違うんです。
つまり、先輩に見せること自体が自分への規律になる。これだけでも、「見せる」価値は十分あります。
「指摘もらえなかった」って正直に書くの勇気いるね。
でも本当のことなので(笑)。書いておかないと、読者の人が「自分も指摘もらえないからダメだ」と思っちゃうから。失敗込みで共有することが、誰かの背中を押すことに繋がると信じています。
▼4年経って気付いた「計画は外れる前提でいい」5つのこと
「外れる前提」って、4年経った今、具体的にはどんなことが外れたの?
売上、販路、ターゲット、経費、売れる商品
——全部外れてました!(笑)
1個ずつ表で整理しますね。
【表】4年で外れた5項目(計画 vs 現実 vs 学び)

この表は4年経った今の、正直な答え合わせです。当時の計画書をめくりながら「あー、これ全然外れたな」と苦笑いした5項目を、そのまま表にしました。
| # | 項目 | 4年前の計画 | 4年後の現実 | 学び |
|---|---|---|---|---|
| ① | 売上規模感 | 軌道に乗ったら月◯万円 | 計画の2/3くらい(計画の3分の2ほど) | 市場が決める |
| ② | 販路 | ネット販売中心で全国展開 | 店頭・卸がほぼ全部、ネットは1割未満 | お客さまが教えてくれる |
| ③ | ターゲット | おしゃれな独身女性向け | 実際は子育て中の主婦が中心 | 立地や時代に寄って顧客は変わる |
| ④ | 経費 | 包材コストはほぼ一定 | 段ボール・緩衝材・保冷材が毎年値上がりで利幅圧迫 | 値上がり前提で計算 |
| ⑤ | 売れる商品 | 棒付きマカロン推し | 焼き菓子タイプ(マカロンポー)も同じくらい人気 | 推し ≠ 売れる |
①②③④⑤、それぞれもう少し詳しく
① 売上規模感:第4章でも告白しましたが、当時書いた売上見通しの2/3くらい(計画の3分の2ほど)で推移しています。気付き:売上は「希望」では伸びない。市場のリアクションで決まる。
② 販路:これが4年で一番外れたことです。当時の計画では「ネット販売中心・全国に発送」「ネット注文が売上の◯割を占める」と書いていました。ところが実際は——売上のほぼ全部が店頭・卸になっています。ネット販売は1割もありません(笑)。
③ ターゲット:当時は「おしゃれな独身女性向け」をターゲットに設定。理由は「マカロン=おしゃれなギフト」というイメージから。ところが実際は——子育て中の主婦が中心でした。「人工着色料を使ってないから、子どもに安心して食べさせられる」「棒付きだから子どもが持ちやすい・写真映え」「家族のおやつ・お土産・誕生日に買いに来る」——お客さま自身がそう教えてくれました。
④ 経費:当時の試算では包材コストを「ほぼ一定」として書いていました。でも実際は——段ボール・緩衝材・保冷材の価格が、毎年じわじわ値上がり。円安・原料費高騰の影響で、気付いたら利幅を圧迫。売価に転嫁しにくい(ギフト価格は安定が求められる)のも痛い。
⑤ 売れる商品:当時の計画では、棒付きマカロンを主力商品として書いていました。実際、棒付きマカロンは今でも人気商品です。ただ、想定外だったのは——焼き菓子タイプのマカロン(マカロンポー)が、棒付きマカロンと同じくらい売れるようになったこと。「カジュアルに自分用にも食べたい」「子どものおやつにちょうどいい」という需要が、想像以上に大きかったんです。
結論:「計画は外れる前提でいい」とはこういうこと
5つ全部外れました(恥)。でも、わたしはむしろ「書いておいてよかった」と心から思います。
なぜなら、外れたことが見えて修正できるからです。
- 良くも悪くも市場に出してみないと分からない
- だから「完璧に当てる」を目指さず、「外れたら直す」を前提にする
- 修正能力は実践でしか身につかない
- 創業計画書は、修正のためにある
「計画通りに進む」ではなく「外れた時にどう動くか」
——これが、事業継続の本当の力です。創業計画書はその力のスタート地点になります。
じゃあ「外れた話」を前提に今のわたしにアドバイスするなら?
「外しても大丈夫。計画書を書いておけば、外したことに気付けるよ!」ですね。
▼創業計画書を書き終えたら|次の一歩は開業届
創業計画書を書き終えたら、次は何をすればいいの?
次は開業届です。これは税務署に出す書類で、「個人事業を始めます」と国に届ける書類。最短5分くらいで作れます。
わたしも開業時に使ったのは「マネーフォワード クラウド開業届」
「開業届って難しそう」と思うかもしれませんが、わたしも開業時にマネーフォワード クラウド開業届で作りました。
実際に使ってみた感想は、「質問に答えるだけで開業届と青色申告承認申請書が同時にできた」。書類フォーマットを自分で調べる時間が省けて、開業準備のなかで一番ラクなパートでした。
わたしも4年前、税務署の用紙を見て「何これ難しい」ってなって、結局これで作りました(笑)。簡単3ステップで質問に答えていくだけです。
- ① 青色申告ができる(控除額は3段階:簡易簿記 = 10万円/複式簿記 = 55万円/複式簿記 + e-Tax(ネット申告)または電子帳簿保存 = 最大65万円。※電子帳簿保存は所定の保存要件があります)
- ② 青色事業専従者給与として家族への給与を経費にできる(青色申告承認+「青色事業専従者給与に関する届出書」を、給与を払う年の3月15日まで(その年新規開業なら開業から2ヶ月以内)に税務署へ提出+もっぱら従事(原則年6ヶ月超)等の要件あり)
| 書類 | 提出期限 | 過ぎたら? |
|---|---|---|
| 開業届 | 開業した年の確定申告期限まで(例:2026年開業→2027年3月15日) ※2025年末までの開業は1ヶ月以内 | 罰則なし |
| 青色申告承認申請書 | 開業日から2ヶ月以内(その年1/16以降の開業の場合) | 初年度は白色申告 |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 開業日から2ヶ月以内(同上) | 家族給与の経費化不可 |
💡ポイント:2026年1月の法改正で、開業届の期限はゆるくなりました。でも青色申告(最大65万円控除)を受けるための「青色申告承認申請書」は、今も開業から2ヶ月以内。だから結局、開業届と青色申告承認申請書はセットで早めに出すのが安心です(参考:国税庁 No.2090)。
個人事業主の開業手続きをラクに!【マネーフォワード クラウド開業届】
開業届を出した後にやること
- 青色申告承認申請書を出す(開業届と一緒に出せる別の1枚の紙。これで最大65万円控除への道が開ける(実際に65万円を受けるには複式簿記+e-Taxが別途必要)/開業から2ヶ月以内)
- 事業用の銀行口座を作る(プライベートと分ける)
- 会計ソフトを選ぶ(わたしはマネーフォワード クラウドを使っています。freee・弥生など他社もあり)
- 領収書をためる習慣をつける(紙袋でも何でもOK・後で整理)
→ 青色申告のやり方は別記事で詳しく👇
「書類仕事」って聞くと身構えるけど、1個ずつクリアすれば前に進めるんだね。
そう。創業計画書 → 開業届 → 青色申告承認——この3点セットを半日で揃えれば、事業のスタート準備は整います。
▼よくある質問(FAQ)
Q. 融資を受けないなら、創業計画書は書かなくていいですか?
A. 答えはNOです!融資を受けない人ほど書いた方がいいです。理由は3つ:
①後回しグセを断ち切るスイッチになる
②目的と手段が合っているか確認できる
③後から「何が外れたか」が見える。
融資審査用じゃなく、自分の事業の「羅針盤」として書いてください。
Q. 売上の見通しが立てられません。どうすればいいですか?
A. 完璧に当てる必要はありません。新規事業の場合、正確な売上見通しを書ける人はいません。「当てに行く」ではなく「仮説を置いて、後で答え合わせするため」と割り切ってください。希望と予測を区別して、「予測」の方を書きましょう。
Q. AIに書かせてもいいですか?
A. 下書きには使えます。ただし、最終判断と書き直しは自分でやってください。AIに丸投げすると「誰の創業計画書か分からない一般論」になります。「業種・地域・想定顧客・自己資金額・家族構成」など、自分の固有の文脈をAIに渡してください。
Q. エクセルとPDF、どっちで書けばいいですか?
A. 公庫公式が両方配布しています。エクセルの方が計算式が入っていて、数字の自動計算がラク。手書き派ならPDF、数字を何度も修正したい派ならエクセルがおすすめです。
Q. 4年経って計画と全然違うけど、それって失敗ですか?
A. 全然失敗じゃありません。むしろ「計画通りに進む事業の方が珍しい」です。わたしも、売上・販路・ターゲット・経費・売れる商品、5項目全部外しました(笑)。でも書いておいたから「何が外れたか」が見えた。外れることは悪じゃない。外れた時に修正できることが、事業継続の本当の力です。
Q. 創業計画書と事業計画書、何が違うんですか?
A. ざっくり言うと用途と詳細度が違います。創業計画書は「これから事業を始める人」向けで、公庫テンプレのA3 1枚に収まる簡易版。事業計画書は「既に事業をしている人」が新事業や融資、補助金申請のために書く、詳細版(複数ページ)。事業初期は創業計画書で十分です。
Q. テンプレートはどこでダウンロードできますか?
A. 日本政策金融公庫の公式サイトで、無料でPDF・Excelを配布しています。「日本政策金融公庫 創業計画書」で検索してください。業種別の記入例(飲食・小売・サービス等)も同じページにあるので、自分の業種に近いものを参考にしながら書くと書きやすいです。
Q. 動機の書き方が分からないんですが、コツは?
A. 3ステップで書けます:① なぜこの事業を選んだかを自分の言葉で(カッコつけない)② その事業を選ぶに至った経歴・きっかけを1〜2行で(職歴・趣味・問題意識)③ その事業で実現したい状態を未来形で(「こうなったらいいな」を素直に)。1日寝かせて書き直すと、納得感が上がります。
Q. 創業計画書はいつ書けばいい?開業の何ヶ月前?
A. 開業の2〜3ヶ月前がおすすめです。理由:①書きながら「目的と手段が合ってるか」をチェックする時間が取れる ②開業届の準備(屋号・事業所所在地)と並行できる ③融資申込みする方は公庫面談に間に合わせるため最低1ヶ月前は必要。ただし「完璧に書き上げる」ことより「書いてみる」ことが大事。1日寝かせて2回書き直すと納得感が上がります。
Q. 個人事業主でも創業計画書は必要ですか?
A. 「必須」ではありません(融資を申し込まない場合)。ただし、わたしの実感としては「融資受けない個人事業主こそ書いた方がいい」です。理由は3つ:①後回しグセを断ち切るスイッチ ②目的と手段が合っているかチェック ③4年後に「何が外れたか」を見られる。小さな副業・小商いの方も、まず1枚書いてみてください。
Q. 創業計画書を書いたら開業届はいつ出せばいいですか?
A. 2026年1月の法改正でルールが変わりました。
・2026年以降に開業する方:「開業した年の確定申告期限まで」(例:2026年6月開業なら2027年3月15日)
・2025年末までに開業した方:従来どおり開業日から1ヶ月以内
ただし、青色申告(最大65万円控除)の「青色申告承認申請書」は今も開業から2ヶ月以内。なので結局は、開業届と一緒に早めに出すのが安心です。わたしはマネーフォワード クラウド開業届で同時作成しました(最短5分・完全無料)。
▼まとめ|「外れる前提でいい。それでも書く価値がある」
- ☑公庫公式サイトから創業計画書テンプレを開く(無料・5分)
- ☑9項目を「下手でいい」から書いてみる(半日もあれば書ける)
- ☑AIに下書きを手伝ってもらう(ただし最終判断は自分)
- ☑誰かに見せる(指摘もらえなくても、見せる前提で書くだけで質が上がる)
- ☑書き終えたら開業届を出す(次のステップ)
「書いた方がいいのは知ってる。でも後回し」——4年前のわたしと同じ状態の人へ。
完璧に書ける必要はありません。外れる前提でいいです。それでも書く価値があるのは、自分の事業を「自分の言葉で1枚にまとめる」という行為そのものに、後から活用できる力があるからです。
声を大にして届けたいことがあります。
計画は外れる。でも、書いておけば「何が外れたか」が見える。
見えれば、直せる。
直せる力こそ、事業を続けていく本当の力。
最初の一歩は、テンプレを開くこと。次の一歩は、開業届です。
明日、テンプレを開いて、書いてみませんか。
創業計画書を書き終えたら、次は開業届です(最短5分・完全無料)→ 個人事業主の開業手続きをラクに!【マネーフォワード クラウド開業届】
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