▼ この記事でわかること
  • お菓子のネット販売に必要な「3つの要素」の全体像
  • 自宅キッチンで作って売れるのか?の答え
  • 菓子製造業許可の基本(費用・期間・流れ)
  • 食品衛生責任者の資格の取り方(1日で取れます)
  • 販売プラットフォーム4社の選び方
  • 開業までの時系列ロードマップ

「お菓子をネットで売ってみたいけど、何から始めればいいかわからない…」

「許可とか資格とか、なんだか難しそう。自宅のキッチンで作って売れる?」

「BASEとかSTORESって聞くけど、お菓子も売っていいの?」

わかります。私も4年前、全く同じところでつまずき疑問を持ってました。

こんにちは。兵庫県の明石市でマカロン専門店「いろはのおと」を営んでいる、個人事業主4年目の私です(元・会社員を10年やった後にお菓子屋になった、ちょっと変わった経歴の持ち主です)。

結論から話すと、お菓子のネット販売に必要なのは 「資格1つ・許可1つ・販売場所1つ」の3つだけです。

この記事では、「まず何から手をつければいいか」がわかるように、できるだけ短くまとめました(読了10分)。各ステップの詳しい手順は、関連記事でさらに深掘りしていく予定です。

お菓子を売るのって、飲食店の許可みたいにお金かかるの?
自宅キッチンで作っちゃダメって本当なの?

うん、残念だけど自宅キッチンはNGですね。
でも許可自体は14,000円で取れて、3週間で終わったよ。
順番に話すね!

▼ 第1章|お菓子のネット販売に必要なのは「3つ」だけ

お菓子のネット販売に必要な3つの要素を示す図解。①資格(食品衛生責任者)②許可(菓子製造業許可)③販売場所(BASE/STORES/Shopify等)の3つがあればお菓子をネットで売れる。プラスで食品表示と特商法を押さえる。

まず結論から言うと、お菓子をネットで売るために必要なものは、次の3つだけです。

#必要なものざっくり言うと
食品衛生責任者の資格お店で衛生管理する責任者。1日の講習で取れます
菓子製造業許可お菓子を作って売るための保健所の許可。申請料は1万円前後
ネットで売る場所BASE / STORES / メルカリShops / Shopifyなどのどれか

これに加えて、食品表示(パッケージに書くやつ)と、特定商取引法(ネット販売の事業者情報開示ルール)の2つの法律だけ、最低限知っておく必要があります。

でも、最初に全部覚えようとしなくて大丈夫です。
①先に資格と許可を取り、
②販売場所を決めて、
③売る商品が決まってから食品表示ルールを確認する

それでも間に合います。

▼ 頭の中にこんなイメージを

全体の流れを図にするとこんなイメージです。
順番に進めていくだけなので、難しくありません。

【人】 食品衛生責任者(1日で取れる)
 ↓
【場所】 菓子製造業許可が取れる調理場(自宅キッチンNG)
 ↓
【許可】 菓子製造業許可(保健所・約1.4万円・3週間)
 ↓
【売る場所】 BASE / STORES / メルカリShops / Shopifyから選ぶ
 ↓
【ルール】 食品表示+特定商取引法を商品に反映
 ↓
🎉 お菓子のネット販売スタート

▼ 第2章|「自宅のキッチンで作っちゃダメ」の意味

ここだけ最初にハッキリ言っておきますね。

自分の家の普段使っているキッチンで作ったお菓子を、ネットで販売することはできません。

これは食品衛生法で決まっていて、「家庭用の調理設備」と「営業用の調理設備」は別物という扱いだからです。お菓子を販売するなら、営業用として認められる独立した調理場が必要になります。

▼ 「え、じゃあ無理じゃん」と思った人へ

「それって店舗を借りないとダメってこと?お金めちゃくちゃかかるのでは…?」
って思いますよね。実は私も最初そう思いました。でも解決策はいくつかあります。

  • 居抜きテナントを安く借りる(私はこのパターン。月5万円以下の居抜きでスタート)
  • シェアキッチンを借りる(月1〜3万円で借りられる、菓子製造許可付きのキッチンが増えています)
  • 自宅に営業用キッチンを増設する(間取りと予算が合えば一番安定)

私の場合、明石市内で居抜き物件(元々飲食店だった場所)を月5万円以下で借り、7坪ほどの調理場を内装工事してスタート地点にしました。物件探しには3ヶ月かかりました。

マカロン店「いろはのおと」の調理場内装工事の様子。菓子製造業許可の施設基準に合わせて改装を実施した実際の現場写真。
マカロン店「いろはのおと」の手洗い・給湯設備工事の様子。食品衛生法の施設基準に沿って保健所指摘のお湯が出る手洗い場を設置。

シェアキッチンって月1万円からあるんですか?
それならハードル低いかも!

うん、都市部を中心にどんどん増えてるよ。
菓子製造業許可付き シェアキッチン ○○(地域名)」で調べると見つかりやすいから試してみてね!

▼ 第3章|菓子製造業許可の全体像|明石保健所で取った実体験

菓子製造業許可は、ひとことで言うと「お菓子を作って売ることが許される資格」です。
これがないと、お菓子を作って他人に有料で提供することができません(家族や友達に無料であげるのはOK)。

マカロン・クッキー・焼き菓子・ケーキ・和菓子・チョコレートなど、ほぼすべての菓子類が対象です。※ アイスクリームを作って売る場合は別途「アイスクリーム類製造業」、パンは「パン類製造業」と、ジャンルによって許可の種類が変わります。

明石保健所が発行した菓子製造業営業許可証の実物。菓子製造業許可の取得証明。

▼ 菓子製造業許可の全体の流れ(6ステップ)

  1. 管轄の保健所に事前相談(電話+訪問)
  2. 物件を決めて、図面を用意
  3. 保健所+消防署に図面持参で事前相談(両方必須)
  4. 申請書類を提出(食品衛生責任者の修了証も一緒に)
  5. 立ち会い検査(保健所+消防署同時・約1時間)
  6. 許可証交付(書類提出から3週間くらい)

▼ 明石保健所での実体験(費用・期間・指摘事項)

申請先明石市保健所
申請料14,000円
申請〜交付までの期間約3週間
施設検査での指摘お湯が出る手洗い場・消火器の設置・PL保険加入の推奨

「え、それだけ?」と拍子抜けするくらいシンプルでした。
ただし物件によって指摘される項目は変わります。古い物件だと、シンクの形状・冷蔵庫の容量・換気扇の性能なども見られるので、図面相談の段階で全部洗い出すのが鉄則です。

💡 PL保険(生産物賠償責任保険)ってなに?

「作ったお菓子でお客様が食中毒やケガをした場合に備える保険」のこと。年間数千円〜数万円で加入でき、多くの保健所で加入を推奨されます。

私の場合は、明石保健所でPL保険のパンフレットをもらったあと、テナントの火災保険を契約するタイミングで、損保代理店にPL保険もセットで相談しました。食品系のPL保険はネットだけで申込める商品が少ないので、まず管轄の保健所に「どこで加入できますか?」と聞くのが一番早いです。

📋 参考:私が実際に加入しているPL保険

  • 保険会社:損害保険ジャパン株式会社
  • 商品名:事業活動総合保険(企業包括方式・エコノミープラン)
  • 保険期間:1年(毎年更新)
  • 年間保険料17,090円(2025年時点・事業規模により変動)
  • 補償額:生産物賠償 1,000万円/免責 1万円
  • 加入ルート:テナントの火災保険とセットで地元の損保代理店経由

※ 保険料は事業内容・売上規模・補償額により変わります。実際の料金は必ず損保代理店で見積もりを取ってください。

申請料は自治体によって違います。14,000円は明石市の場合で、東京都新宿区は16,800円、他の市区町村もそれぞれ金額が異なります。
自治体で数千円の差があるので、必ず管轄の保健所で確認してください。

🚒 意外と知られていない「消防署の立ち会い」

食品を扱う営業は「火を使う調理場」として、消防署も施設基準を確認します。私の場合は図面を持って明石市消防局にも事前相談に行き、立ち会い検査は保健所+消防署が同じ日に来て約1時間で終わりました。保健所だけ通せばいいと思っていると検査当日に詰むので、STEP3で必ず両方に相談してください。詳しくは菓子製造業許可 取り方完全マニュアルで解説しています。

検査って、めちゃくちゃ厳しく見られる?
落ちたら怖い…

事前相談でアドバイス通り直しておけば、まず落ちないよ。
私のときも30分くらいであっさり終わった。「開業頑張ってください」って声かけてもらえたくらいです(笑)

👉 ここでは全体像だけサクッと。実際の細かい手順は、管轄の保健所が一番正確な情報源です。気になることは遠慮なく電話で聞いてみてくださいね。

▼ 第4章|食品衛生責任者は1日で取れる

食品衛生責任者は、「このお店の衛生管理は、この人が責任を持って見ますよ」ということを届け出るための資格です。飲食店・お菓子屋さん・食品製造業…ほぼすべての食品を扱う営業許可を取るために、必ず1名の食品衛生責任者が必要です。

個人事業主の場合、自分自身が食品衛生責任者を兼ねるのが一般的です。

明石市食品衛生協会が発行した食品衛生責任者養成講習会の修了証の実物。2022年2月21日に取得(第AS-XXXXX号)。

▼ 取り方はカンタン「1日の講習を受けるだけ」

  • 各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習会を受講
  • 1日で完了(所要時間は6時間くらい)
  • 費用は10,000〜12,000円が相場(地域・年度により異なります)

テストもありますが、講習を真面目に聞いていれば落ちません。ハードルは低い資格です。

▼ 私は明石で受けました

私の場合、2022年2月21日に明石市食品衛生協会で受講しました(修了証番号:AS-XXXXX号(伏せ字))。講習の中身はこんな感じ。

食品衛生学2.5時間
食品衛生法3時間
公衆衛生学0.5時間
合計6時間

正直に言うと内容はちょっと眠いです(笑)。
でも食中毒の事例は「こんなことで大事故になるんだ…」と勉強になりました。
修了証は営業許可の申請時に提出するので、絶対なくさないで保管してくださいね。

▼ 受けなくていい人(免除されるケース)

次の国家資格を持っている人は、養成講習会を受けなくても食品衛生責任者になれます

  • 調理師 / 栄養士・管理栄養士 / 製菓衛生師
  • 薬剤師 / 獣医師 / 船舶料理士
  • 食品衛生監視員・食品衛生管理者の資格要件を満たす者

このいずれかを持っているなら、資格証を保健所に提出するだけでOK
講習を受ける必要はありません。

▼ 第5章|販売プラットフォーム4社の全体像

BASE・STORES・メルカリShops・Shopifyの4社比較図解。初期費用はいずれも0円、手数料はShopify3.4%/STORES5%/BASE6.6%+40円/メルカリShops10%。強みはそれぞれApps拡張・デザイン性・集客力2,000万人・本格EC運営。差がつくのはコストと集客。

お菓子をネットで売るなら、次の4つがメイン候補です。
4社とも食品販売に対応しているので「どのサービスが食品OKか?」で迷う必要はありません。

違うのは コスト構造と集客の仕組み、そして「どこまで本格的に運営したいか」です。

サービス初期費用月額手数料の目安向いている人
BASE0円無料プランあり6.6%+40円最小コストで始めたい人
STORES0円無料プランあり5%(有料プランは3.6%)デザイン重視・実店舗と連携したい人
メルカリShops0円無料10%集客力を借りたい人
Shopify0円月額3,650円〜(年払い)3.4%〜本格EC・ブランド運営したい人

手数料って1%違うと結構大きいですよね…
お菓子1個1,000円で売ったら何円変わるの?

単純計算だと、BASE(6.6%)で66円、STORES(5%)で50円、メルカリShops(10%)で100円、Shopify(3.4%)で34円。1万個売ったら大きな差になるよ。

▼ Shopify運営者としてのおすすめルート

ちなみに私が使っているのはShopifyで、BASE・STORES・メルカリShopsは他の事業者さんをサポートした経験からのお話です。その前提で、おすすめのルートはこんな感じ。

  • 🟢 STEP1|月商〜20万円:BASEかSTORESで無料スタート
  • 🟡 STEP2|月商20〜50万円:有料プラン or Shopify移行を検討
  • 🔴 STEP3|月商50万円〜:Shopifyで本格ブランド運営

最初はBASEかSTORESで無料スタートが一番安全です。失敗してもダメージが0なので。両方とも開設料0円・月額0円なので、2つ同時に開設して反応を見るのもアリです。

👉 4社それぞれの詳しい特徴は、BASEとは?STORESとは?Shopifyとは?の個別記事も合わせてチェックしてみてくださいね。

▼ 第6章|開業までの時系列ロードマップ

お菓子ネット販売の開業までの時系列ロードマップ図解。3〜4ヶ月前(物件探し・SNS)→2ヶ月前(保健所相談・講習)→1〜1.5ヶ月前(許可申請・交付)→3週間前(ショップ開設)→2週間前(ラベル・梱包)→開業日(告知・公開)の流れ。マカロン屋の実体験ベース。

ここまで読んで「結局、何ヶ月前から動けばいいの?」という疑問が出てきますよね。
私の経験をベースに、開業予定日から逆算したロードマップをお見せします。

タイミングやること
開業3〜4ヶ月前物件探し開始/食品衛生責任者の講習を予約/SNS発信スタート
開業2ヶ月前物件契約前に保健所へ事前相談(図面持参)/食品衛生責任者の講習を受講
開業1〜1.5ヶ月前菓子製造業許可を申請/施設検査を受ける/許可証交付
開業3週間前プラットフォーム(BASE/STORES等)開設/商品ページ作成
開業2週間前食品表示ラベル作成/梱包資材を揃える/試作・味見配布
開業日SNSで告知/ネットショップ公開🎉

最短でも3ヶ月前から動き始めるのがおすすめです。
物件探しや保健所とのやり取りで、予想より時間がかかることがあるので、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。

3ヶ月あれば十分間に合いそう。
何より「やることが順番に見えた」のが安心!

そう、全体が見えると怖くなくなるよね。次の章でまとめるけど、まず今日電話できる先が1つあるから、そこから始めてみよう!

📌 開業後にすぐ必要になるもの

許可を取ってネットショップを開設したら、次は「帳簿管理」と「自分のブログ・HP」も整えておくと安心です。私が実際に使っているツールの記事も参考にどうぞ。

▼ よくある質問(FAQ)

▼ Q1. 自宅のキッチンで作ったお菓子をネット販売できますか?

A. できません。一般家庭用のキッチンは食品衛生法の営業用施設基準を満たさないため、営業許可が下りません。販売するには、営業用として独立した調理場(店舗・シェアキッチン・自宅に増設など)が必要です。

▼ Q2. 開業届を出していなくても菓子製造業許可は取れますか?

A. 取れます。菓子製造業許可は開業届と別物なので、許可申請だけなら開業届なしでも可能です。ただしプラットフォームの審査(特にメルカリShops)では開業届の提出を求められる場合があるので、お店を始めるときにあわせて開業届も提出するのが自然です。

▼ Q3. トータルで費用はいくらかかりますか?

A. シェアキッチン利用で30〜50万円、自前の調理場を借りるなら300〜400万円が目安です。私の場合は調理場を借りて合計約345万円でした(内装181万・厨房機器98万・賃貸初期33万・ロゴ10万・許可1.4万・雑費21万)。

▼ Q4. 保健所の検査で落ちることはありますか?

A. 事前相談をきちんと受けていれば、ほぼ落ちません。物件契約前に図面を持って保健所に相談し、指摘を直してから検査を迎えるのが鉄則です。落ちる人の多くは、事前相談をスキップしています。

▼ Q5. 許可を取らずにお菓子を売ったらどうなりますか?

A. 食品衛生法違反で、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科されます。さらに食中毒が発生した場合の民事責任・社会的信用の失墜は計り知れません。絶対に、必ず許可を取ってから販売してください

▼ まとめ|まず「保健所に電話」するのが最短ルート

ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。
最後にポイントを整理します。

この記事のまとめ図解。お菓子のネット販売始め方5つのポイント:①必要なのは資格1・許可1・販売場所1の3つ ②菓子製造業許可は3週間・約1.4万円 ③食品衛生責任者は1日講習で取得 ④BASE/STORESから始めてShopifyへステップアップ ⑤食品表示・特商法は最初に仕組み化。いろはの小さなIT整理ノート。

▼ この記事の5つの要点

  1. お菓子のネット販売に必要なのは「資格1・許可1・販売場所1」の3つだけ
  2. 自宅キッチンでは販売NG。営業用の独立キッチンが必要(シェアキッチンも選択肢)
  3. 菓子製造業許可は事前相談→申請→施設検査→交付。約3週間・約1.4万円
  4. 食品衛生責任者は1日6時間の講習で取得OK。費用は約1万円
  5. 販売プラットフォームはBASE/STORES(無料スタート)→Shopify(本格運営)の階段式

▼ 今日から始める3つのアクション

  • ✅ 管轄の保健所に電話して、菓子製造業許可の事前相談を予約する
  • ✅ お住まいの都道府県の食品衛生協会で、食品衛生責任者講習を予約する
  • BASEかSTORESで無料アカウントを作ってみる(練習用でOK)

開業の9割は、「保健所に電話をかけられるかどうか」で決まります。大丈夫、怖くないです。私も4年前、震える指で明石保健所の番号を押しました(笑)

ネットショップの運営は、長期的にブランドを育てていく旅です。最初の一歩が一番重いので、今日この記事を閉じる前に、保健所の電話番号を検索するところまでやってみてくださいね。応援しています🍰

▼ 本格運営を目指すなら

将来的に月商50万円以上を目指したい方・自分のブランドとして独立したネットショップを作りたい方は、私が実際に使っている Shopifyもチェックしてみてください。3日間の無料トライアルで試せます(2026年4月時点)。

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ABOUT ME
いろはさん
兵庫県で マカロン専門店「いろはのおと」 (https://iroha-no-oto.com/)を経営しながら、 ひとりで事業を回すための IT・業務改善・数字まわりを日々試行錯誤している個人事業主です。 個人事業主として4年目です。 製造・販売だけでなく、 ECサイト運営、SNS運用、会計、事務作業まで、 開業当初からほとんどを自分で行っています。