今回の箸休め的な記事はコラムです。いつものように長文ではなく軽い形で読んでいただければと思います。

2021年11月、私はTwitter(現X)でこう宣言しました。

「簿記2級の次は中小企業診断士。簿記1級と迷ったけど、難しい方を選んだ」

2021年11月のX投稿スクリーンショット。「簿記2級の次は中小企業診断士、簿記1級と迷ったけど難しい方を選んだ」と宣言した4年前のポスト
2021年当時のポスト

…あれから4年。2025年現在、私はまだ中小企業診断士に合格していません。1次試験の科目合格止まり(笑)。

でも、勉強時間は当初想定した1,300時間をとうに超え、3,000時間は余裕で超えました(小声)

合格できなかったこの4年・3,000時間が、マカロン店主としての私に教えてくれたことが3つあります。

▼簿記2級の次に、なぜ診断士を選んだのか

開業前、簿記2級を取った私は次の挑戦先を考えていました。候補は簿記1級か、中小企業診断士。…結論、難しい方の中小企業診断士を選びました。

正直、深い戦略はありませんでした。マカロン店を開業するにあたって「経営の勉強がしたい」という素朴な動機と、「どうせなら難しい方」という性格でした。

そこから2021年11月〜2025年現在まで、4年。当初想定した1,300時間はとっくに過ぎ、最近の自分の集計では「3,000時間は余裕で超えてました(小声)」。

それでもまだ、1次試験の科目合格止まり。今回はこの試験を受験してみての自分に何が残ったのかを書いていこうかと思います。

4年で1次科目合格止まりって…正直、コスパ悪くない?

普通ならそうやんね(笑)でも、合格してなくても得たものはあるんよ

▼3,000時間が教えてくれた3つのこと

①勉強に出てくることが「現場で実践できるかも」と気づいた

中小企業診断士の勉強で出てくるフレームワーク(SWOT分析、3C分析、4P、PEST…)。教科書を読んでるときは「ふーん、まあ知ってるレベルだよね」くらいの認識でした。でも開業して気づいたんです。「これ、実際に使えるかも!」と。

例えば、菓子業界の常識は「レシピは企業秘密」。誰も自分の店のレシピは公開しません。でも私たちのお店「いろはのおと」では、2024年にInstagramでバスクチーズケーキのレシピを画像で全部公開しました(投稿はこちら)。

「企業秘密を出すなんてアホ?」と思う人もいるかもしれません。でも私の中ではこれ、ちゃんとフレームワーク的に整理した結果の選択でした。

  • 差別化軸|「秘密にする」が業界の常識 → 「公開する」が逆張りの差別化
  • ブランド戦略|レシピを出せるほど自信がある=技術力の証明
  • 集客動線|レシピを見た人が「美味しそう」→ 店舗・ECで購入

結果、その投稿はコメントで「やってみたい」と読者参加が生まれ、店舗への問い合わせも自然に届くようになりました。つまり、診断士で学んだフレームワークは「机上の空論」じゃなくて「現場の意思決定の根拠」になる。これは勉強しないと気づけなかったことです。

レシピ公開、最初は怖くなかった?

勉強してたのであんまり怖くなかったよ。でも「フレームワーク的にはむしろ強み」って整理できたから踏み切れました!

②でも資格と実践は、別物だった

ただし診断士の知識があれば集客が爆速で進む
——そんなことは1ミリもありませんでした(笑)

開業初期、私はマーケティング理論をたっぷり頭に入れた状態でスタートしました。AIDMAもSTPもプロダクトライフサイクルも知ってる。…でも、お客さんは1人も増えませんでした。

教科書には「ターゲットを明確にして、訴求軸を絞り、メッセージを最適化する」と書いてある。書いてあるけど、実際には:

  • ターゲットを絞っても、その人たちに届ける手段がない
  • 訴求軸を絞っても、そもそもSNSフォロワーがゼロ
  • メッセージを最適化しても、そのメッセージを見る人がいない

ここで気づきました。「知ってる」と「できる」は別物だと。教科書は「Aを選びましょう」と言ってくれる。でも現場では、Aを実行するためのリソース(時間・お金・人)が足りない。だから「Aを諦めてB’みたいなものを選ぶ」「BをやってからAに繋げる」みたいな現場の知恵がいる。これは資格勉強だけしてた頃には絶対わからなかった景色でした。

③コンサルする側と経営する側は、別の視点

最後の気づきは、これが一番大きいかもしれません。診断士の勉強をしていると、自然と「経営コンサルタント目線」が身についてきます。誰かの事業を見たとき「ここをこうすれば伸びる」とアドバイスしたくなる。でも、ある時はっと気づきました。

💡4年目で気づいたこと

アドバイスは責任が伴わないから、軽く感じる。

小規模事業者の限られた資源の中で、何を選択して何を実行していくのか——これはプレイヤーでしかわからない

例えば「SNS投稿を週5に増やせばフォロワー伸びますよ」と言うのは簡単。でも、その週5を実行するために、店主は何時間を他の作業から削り取って捻出するのか。投稿のクオリティを保つ覚悟は?反応がなかった時のメンタルケアは?そのコスト・痛みは、アドバイスする側には1ミリも降りかかりません。

これは商工会議所の個別相談で「野菜のマカロン作ったら?」と言われた経験(詳しくは別記事)にも繋がる感覚です。アドバイスする側は思いつきで言える。受け止める側は、それを実行できるかを資源と相談しながら判断しないといけない。

診断士の知識は今でも大事。でもその知識を「経営者として」使うのと「コンサルタントとして」使うのでは、まったく違う重さがあります。

アドバイスって、する側は軽いけど受ける側は重いんだね

そうだね!だから自分が誰かに何か言うときは、その重さを忘れないように心がけています。

▼それで今、4年目の僕が思うこと

4年・3,000時間。そして1次科目合格止まり。数字だけ見たら「失敗」かもしれません。でも私は、こう思っています。

「合格=ゴール」と設定していたら、たぶんもうやめてた。

合格してなくても、勉強の過程で得たフレームワーク・思考の型・経営者としての視点は、毎日のマカロン店経営で使っています。ブログ159本(いろはのおと)+73本(このIT整理ノート)+インスタ投稿721件+TikTokライブ272日(5/29時点で)。これらの一個一個の意思決定の裏側に、診断士の勉強で得た「考え方の型」があります。

ゴールを「合格」じゃなくて「学んだことを実践に変える」に置き直したら、4年は全然無駄じゃなかったです。むしろ、ずっと自分の経営の血肉になっています。

▼同じ立場の人へ

これから個人事業主を目指す人、資格勉強中の人へ。もし私と同じように「資格を取ってから独立しよう」と思ってるなら、ちょっと立ち止まってほしいです。

資格勉強と実践は、同時にやれる。むしろ同時にやった方が、勉強の理解も実践の質も両方上がる。「合格してから独立」だと、たぶん独立タイミングを失います。完璧な準備が整う日はいつまで経っても来ません。

それより、「勉強した知識を、明日の意思決定で1個だけ使ってみる」を毎日積み重ねる方がいい。私が今のところ続けられているのも、たぶんそうやって毎日小さく実装してきたからです。

▼まとめ|まだ受験は残ってる、ただ4年で得たのは資格じゃない

中小企業診断士、まだ受かってません。でも、4年・3,000時間(小声)で得たのは、合格証書じゃなくて、経営者として現場で考えるための型でした。

たぶんまた受験します。受かったらまた報告します。受からなくても、たぶん別の何かを学んでるはずです。

4年やって受からないのに、まだ続けるの?

煽るやん!!!!でもまあそう。だってもう「合格がゴール」じゃないんよ。続けることそのものが、経営の練習だから!これからも頑張ります!

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ABOUT ME
いろはさん
兵庫県で マカロン専門店「いろはのおと」 (https://iroha-no-oto.com/)を経営しながら、 ひとりで事業を回すための IT・業務改善・数字まわりを日々試行錯誤している個人事業主です。 個人事業主として4年目です。 製造・販売だけでなく、 ECサイト運営、SNS運用、会計、事務作業まで、 開業当初からほとんどを自分で行っています。